2023 Fiscal Year Research-status Report
メトホルミンによる軟骨保護効果とその制御機構の解析
Project/Area Number |
22K17157
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
近藤 星 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (90834838)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メトホルミン / UCA1 / CCN2 / 軟骨細胞 / ドラッグリポジショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
メトホルミンによる軟骨保護効果とその制御機構を解明し、メトホルミンを変形性関節症 (OA) 治療薬として活用(ドラッグリポジショニング)する基盤へ繋げることを目指し、培養細胞とUrothelial cancer-associated (UCA)1 ノックイン (KI) マウスを用いた検証を進めている。 現在までに、軟骨細胞株HCS-2/8において、軟骨分化を促進するUCA1の発現がメトホルミン添加により上昇することを見出している。また今回、軟骨細胞分化マーカーCellular Communication Network Factor (CCN) 2の発現抑制因子であるmiR-18aも、メトホルミンによる発現誘導が観察された。そこで、5mMメトホルミン添加後の経時的な遺伝子発現を解析した結果、miR-18aとUCA1の間の相互抑制作用のバランスが時間経過とともにUCA1 優位になることで、CCN2を含む軟骨細胞分化マーカーの遺伝子発現を促進することが示唆された。これらの成果はまもなく論文投稿する予定である。 UCA1は霊長類特有のlncRNAであるため、in vivoでの検証を行うために、CRISPR-Cas9システムを用いてUCA1 KIマウスを作製し、その系統確立を行った。得られたKIマウスについて、UCA1発現の影響が強いと思われた膀胱や生殖器、骨などを中心に表現系の解析を行ったが、組織学的・形態学的に明らかな変化は認めなかった。さらに検証を進めるべく予定していた、骨および軟骨組織の形態学的・生化学的解析や、in vivoでのメトホルミンの効果の検証については、研究代表者の所属研究機関の異動の影響で一部計画に遅れを生じたため、次年度に行うこととしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、得られた上記の研究成果をまとめており、まもなく論文投稿する予定である。ただ、2023年度中に研究代表者の所属研究機関の異動が2回あった影響で、当初計画していたUCA1 KIマウスを用いた一部の実験に遅れが生じたため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
軟骨細胞におけるメトホルミンによるUCA1誘導についての論文投稿を行う。また遅れが生じているUCA1ノックインマウスでの検証を行い、in vivoでのメトホルミンによるUCA1誘導や軟骨保護効果について検討を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は研究代表者の所属研究機関の異動が年度内に2回あり、研究環境が短期間に大きく変わった影響で、当初予定していた一部の実験、特にマウスを用いた実験の遂行に遅れが生じた。また、論文投稿についても年度をまたぐ結果となった。このため、次年度使用額が生じた。 次年度は、今年度の余剰金を最大限活用し、論文投稿および遅れているマウス関連の実験を中心に行う予定である。
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[Presentation] プロドラッグ・ミコフェノール酸モフェチルは非肝臓細胞でも活性化されるのか?2023
Author(s)
大田祐誠, 藤井裕己, 狩野裕考, 沖原莉菜, 佐々木美加, 飯尾(小川)亜樹, 近藤星, 山根慶大, 田村結実, 越智啓敬, 千田美紀, Kari Kopra, Harri Harma, 千田俊哉, 竹内恒, 保田朋波流, 佐々木敦朗
Organizer
第46回日本分子生物学会年会
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[Presentation] GTP sensor PI5P4Kβ links phosphoinositide signaling to enhanced GSH synthesis and tumor oxidative stress resistance2023
Author(s)
2.Yuki Fujii, Sho Tabata, Akiyoshi Hirayama, Kazutaka Sumita, Junya Hasegawa, Aki IiO- Ogawa, Shun Kageyama, Sei Kondo, Mika Sasaki, Kensuke Tateishi, Manabu Natsumeda, Tomoyoshi Soga, Takehiko Sasaki, Koh Takeuchi, Toshiya Senda, Atsuo. T. Sasaki
Organizer
Metastasis Symposium 2023
Int'l Joint Research