2022 Fiscal Year Research-status Report
Epas1依存的なIL-31産生に注目した口腔扁平苔癬の新規治療薬の開発
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22K17159
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上加世田 泰久 九州大学, 大学病院, 医員 (80907048)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | OLP / Epas1 / Il-31 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平苔癬(oral lichen planus: OLP)は、口腔粘膜に生じた角化異常を伴う難治性の慢性炎症性疾患である。一部のOLP症例では1%程度、初期口腔癌への悪性転化が認められ、近年WHOでは口腔潜在的悪性疾患に分類されている。しかしながら、OLPの発症・病態進展のメカニズムは不 明な点が多く、根治的な治療は確立されておらず、ステロイドなどの対症療法が主体である。我々の先行研究で、アトピー性皮膚炎の掻痒惹起 物質であるIL-31をEpas1依存的に阻害する低分子化合物4-(2-(4-isopropylbenzylidene) hydrazineyl) benzoic acid (IPHBA) を同定しアトピ ー性皮膚炎の新規治療薬としての有用性を報告した。そこで本研究では、先行研究で見出したIPHBAに注目し、OLPにおけるステロイド療法に変わる新規治療法の開発を目的とする。 OLPの病変上皮におけるEpas1依存的に発現するIL-31の同定、もしくは疾患関連分子の同定(令和4年度)一般に、ヒトの組織でDNAマイクロアレイを行う際、遺伝子の個体差が大きいため、患者・健常者間で遺伝子発現を正確に比較することは困難である。そこで本研究の先行実験として、OLP患者の生検材料から病変上皮と正常上皮(同一症例)をlaser microdissection (LMD)法にて採取し、この2つの組織をDNAマイクロアレイにて比較検討を行なった。現在、IL-31をEpas1/Sp1に注目して、OLPの病変局所における発現と局在および臨床所見 (悪性化の頻度や病型)と の関連について調べるとともに、今後は、局所的、全身的に最新の機器を用いて検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔扁平苔癬(oral lichen planus: OLP)患者の生検材料から病変上皮と正常上皮(同一症例)をlaser microdissection (LMD)法にて採取し、この2つの組織をDNAマイクロアレイにて比較検討を行なった。その結果、病変上皮において正常上皮と比べ発現が上昇している、もしくは低下している遺伝子を複数同定した。現在、その同定した遺伝子のvalidationを行なっている。また、OLP患者の生検材料を用いて免疫染色でEpas1、Sp1、IL-31が発現しているか検討中である。OLP患者以外、白板症や扁平上皮癌など、口腔粘膜疾患の様々な検体を用いて同様にEpas1、Sp1、IL-31が発現しているか検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔扁平苔癬(oral lichen planus: OLP)患者の生検材料の病変上皮から分離したTh2細胞のIL-31産生能力とIPHBA効果の解析(令和5年度)OLP患者の生検材料の病変上皮から分離したCD4陽性ヘルパーT(Th)細胞もしくはTh2細胞を刺激し、IL-31の発現を確認するとともに、培養上清を採取してサイトカインアッセイを行う (in vitro)。その際に、増加したIL-31 がIPHBAの有無で差が見られるか、確認を行う予定である。また、OLP患者の生検材料から病変上皮と正常上皮(同一症例)をlaser microdissection (LMD)法にて採取し、この2つの組織をDNAマイクロアレイにて比較検討で注目している遺伝子について、更なる解析を進める予定としている。
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Causes of Carryover |
実験計画の見直しが必要で、当初予定していた実験系を確立できなかったため、当該助成金が生じた。新たに確立した実験の解析に必要なパソコンの購入や実験器具や試薬を購入予定である。
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