2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K17168
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
川上 真奈 東京歯科大学, 歯学部, 臨時教員 (70550060)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 歯根膜幹細胞 / 抜歯窩 / フェイトマッピング解析 / Axin2 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、抜歯窩の石灰化修復には歯根膜(PDL)に局在する幹細胞が寄与しており、そのPDL幹細胞はAxin2タンパク質が陽性であることが報告された。すなわち、Axin2陽性PDL幹細胞は抜歯に伴い、骨芽細胞に分化して修復骨を形成する。しかし我々は、Axin2陽性PDL幹細胞由来の抜歯窩修復骨中における骨細胞の割合が極めて低いことを見出している。以上の結果は、Axin2陽性PDL幹細胞の他に抜歯窩修復に精力的に寄与するPDL幹細胞が存在することを示唆する。本研究は、抜歯窩の石灰化修復に寄与する新規PDL幹細胞を同定することを目的とした。今年度は、Gli1の発現を指標に検出できるPDL幹細胞画分(Gli1陽性PDL幹細胞)の抜歯窩修復骨への寄与について、Gli1-creER;flox-stop-flox-tdTOMATOマウスを用いた細胞系譜解析により調べた。その結果、Axin2陽性歯根膜細胞と同様に、抜歯窩修復骨中に含まれるGli1陽性PDL幹細胞由来の骨細胞の割合は約10%程度であることがわかった。したがって、既報のAxin2およびGli1陽性PDL幹細胞画分以外のPDL細胞が抜歯窩修復骨に寄与することが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既報のPDL幹細胞画分の抜歯窩修復骨への寄与率を解析し、その全てにおいて寄与率が低いことが確認できた。これにより、新規PDL幹細胞画分が存在する可能性を示した。
|
Strategy for Future Research Activity |
Axin2、GliのPDL幹細胞画分の抜歯窩修復骨への寄与率が低いことが分かったため、それ以外のPDL画分(Axin2陰性、Gli1陰性PDL細胞)を解析対象として研究を進める。
|
Causes of Carryover |
一部の遺伝子改変マウスの交配が予定通りに進まなかったため、昨年度中に産仔を得ることができなかった系統が生じた。したがって、産仔の硬組織を使用したイメージング解析を次年度に行う。
|
Research Products
(1 results)