2022 Fiscal Year Research-status Report
唾液腺の発生期に副交感神経が筋上皮細胞の分化に及ぼす作用の検討
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22K17172
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
真藤 裕基 東北大学, 大学病院, 医員 (40911269)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 唾液腺 / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔内の清掃、潤滑、保護、消化、免疫、解毒と多岐にわたる機能を有する唾液は、健康の維持・増進に極めて重要である。従って疾患や薬物・放射線療法のような治療による唾液腺の機能不全や機能喪失は、健康寿命の維持・延伸を考えた場合大きな問題となる。唾液分泌機能は自律神経により制御されるが、初期の発生唾液腺では副交感神経のみが存在し、副交感神経節を切除すると唾液腺は十分成長しない。つまり完成唾液腺の機能を制御する神経が唾液腺の発生においても重要な役割を演じている。唾液分泌において神経の効果器として機能する筋上皮細胞は、唾液腺上皮から分化し、副交感神経終末の近傍に配置されるため、筋上皮細胞の分化誘導には神経との相互作用が関与していると考えられる。本研究は、唾液分泌に関与する効果器の筋上皮細胞と唾液分泌を促す支配神経である副交感神経の命令系統が唾液腺の発生期に形成される機序の解明を目指すものである。器官形成期の唾液腺の筋上皮細胞と神経の発生学的相互作用を深く理解することは、唾液腺の発生機構の解明のみならず、唾液腺の機能回復療法や唾液腺再生療法への応用につながると考えている。 今年度はマウス胎児の唾液腺を用いて器官培養を行い、qPCR法を用いて遺伝子発現の変化を検討し、蛍光免疫組織染色を行い、タンパク質発現の変化を検討した。また、ラット顎下腺上皮由来細胞株を用いて、唾液腺上皮単独における遺伝子発現の変化や細胞内シグナル伝達の変化について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画の順番の変更はあったものの概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画通り、神経伝達物質による唾液腺上皮細胞の遊走能の変化、神経伝達物質による唾液腺上皮の細胞内カルシウム変動についても検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初の計画通り比較的順調に進んでおり、実験の試行回数が当初の想定よりも少なく物品購入の頻度が少なく済んだため。今後は順調に進んだ場合の計画に合わせて、より臨床に近い場面を想定した研究も合わせて進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)