2023 Fiscal Year Research-status Report
小児における歯科用CBCT被ばく線量低減にむけた検討ー安全で有益な検査を目指すー
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22K17190
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
井澤 真希 明海大学, 歯学部, 講師 (50735818)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯科用コーンビームCT / 線量測定 / 撮影領域 / 小児 / ファントム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ディテクターの拡大化が進んでいる歯科用CBCTについて,小児の人体評価ファントムを利用して臓器組織線量を測定評価することで,歯科用CBCTにおける小児の被ばく線量を明らかにし,その実測値を基に小児患者の為の歯科用CBCTでの撮影プロトコルについて検討・最適化を行うことを目的とする.2023年度は撮影装置と照射条件の基礎研究の論文投稿をし,照射記録から小児撮影条件の解析を行ったことに加え,小児ファントム内に加工シートを装着し,内部に光刺激ルミネセンス線量計nanoDotを挿入,線量計の挿入決定や基準撮影条件におけるファントム内組織分布の解析を行った. ファントム内に挿入するシート内に10 ㎜×10 ㎜大の正方形空隙を格子状に作成し,ファントム内のnanoDot挿入位置として加工をした.空隙の間隔は約2 ㎜となるように設定した.小児ファントム内の中心位置はファントム内の固定ピン間中央とし,左右対称に挿入できるようにシート加工を行った.シート内にnanoDotを約300個挿入し,照射野60 ㎜×60 ㎜,90 kV, 5 mA, 17.5 sのStandard撮影条件で撮影を行った.回転中心は下顎第一大臼歯前縁と正中の交点とし,回転中心に沿ったZ軸はファントムスライス面に垂直とした.その結果,直接線に照射を受ける部位と散乱線によって照射を受ける部位では10倍ほどの線量の相違となり,直接線で照射されたスライス面ではファントムの前方から後方に向かって急峻に組織線量が低下した. 現在,測定した結果よりファントム内の臓器組織線量の解析を行い,論文投稿の準備を進めている状況にある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
加工シートを作成するにあたり,予定していた材質が予想よりもX線高吸収体であった為,測定にやや遅れが生じたが,2023年度に予定していた基準撮影条件での臓器組織線量の計測および照射記録の解析は概ね実行することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実験計画では,決定した基準撮影条件と線量測定位置をもとに,撮影照射野を変更して臓器組織線量の測定・解析を行う.本年度では,光刺激ルミネセンス線量計の挿入位置を限定し,想定される小児撮影条件による臓器組織線量の計測を行い,計測結果の解析・検討を行う.現在,基準挿入位置は概ね決定している為,予定する実験計画を推進できると考えている.併せて,2023年度に行った基準撮影条件とその組織臓器線量について論文投稿をすすめていく.
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Causes of Carryover |
初年度に使用撮影装置が更新されたこと伴い,予定していた実験計画が遅れてしまったことに加えて,代替ファントムの選定し直さなければならなかったため,研究計画及び論文投稿に遅れが生じ,予定していた費用を執行できず次年度繰り越しとなった.現在,計測結果の解析,および論文執筆を進めており,繰り越し費と合わせた予算で次年度の研究計画の遂行,研究結果発表および論文投稿を行う予定である.
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Research Products
(2 results)