2022 Fiscal Year Research-status Report
ディープラーニングは顎骨内の潜在的病変の診断に有用か
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22K17195
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
西山 航 朝日大学, 歯学部, 助教 (80631613)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | パノラマX線画像 / Deep learning / 機械学習 / 自動診断支援 / 顎骨内病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
パノラマX線画像から腫瘍や嚢胞などの顎骨内病変を抽出するアルゴリズムをDeep Learningを用いて作成するために, 学習(教師)データとなるパノラマX線画像の収集を行った. 画像データの収集は, 朝日大学医科歯科医療センターにおいて撮影されたパノラマエックス線画像の中で下顎骨内に境界明瞭な透過性病変を有するものを収集し, 病変の部位により下顎枝, 下顎角部, 下顎骨体部に分類した. 病変部位にはSegmentationのための領域設定とDetectionのためのROIの設定を画像処理ソフトウェアを用いて行った. また, 限られた臨床画像で高い学習効果を得るために, 収集された画像に対してコントラストや画像濃度の調整, 画像角度の変更などによるAugmentationを行うことで学習データを増加させ更なる学習を行った. Augmentationの方法により学習効率や過学習の度合いが変わるため複数の方法を試行し, より高い学習精度を得られるように調整と学習を繰り返している. 今後はさらに収集データを増加させる事により精度の向上を目指す. またSegmentation及びDetectionの精度が向上した後に, 病変の種類を自動分類するためにDeep LearningのClassificationを用いたアルゴリズムを作成する. Classificationを行う際には各症例ごとに必要な学習データの数が増えるため, 必要な場合は他施設の症例データの供与についても検討を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例画像の収集は診療録のデータと照合をして行うが, 当研究施設での診療録は電子化されておらず作業に予定以上に時間を要している. またAugmentationによる画像調整にも長時間の作業が必要となるが, 画像調整の方法により学習効率が大きく異なり, 一定の数の画像調整を行ってから学習を試行し, その結果から再度Augmentationの方法を変えて学習を繰り返すため, 効率的なAugmentationの方法を模索するのに非常に多くの作業を要する. また, その他の業務が多くなり本来の本研究に対するエフォートが確保できていないことなどが挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在収集されている症例画像の学習データではAugmentationによる学習精度の向上があまり見られず, 過学習傾向が見られる. これは元データの数が足りておらず, Augmentationをしても類似した学習データが多くなり, 汎用性の高いアルゴリズムが生成されていない可能性がある. このため, まずは症例データの収集に注力し, その後にAugmentaionの方法の検討に移行する形に推進方策を変更する必要があると考えられる. またデータの収集にかける時間の短縮のため診療録での照合を省略し, 電子化されている放射線診断システム(RIS)での病名検索から画像を抽出する方法に変更する必要も検討する.
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Causes of Carryover |
学習に用いる画像収集が予定より進んでおらず, 研究全体の進捗状況に遅れが出ているため予算の執行自体も遅れが生じている.
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