2022 Fiscal Year Annual Research Report
CCN2の硬軟組織同時再生能を活用した口蓋裂狭小化の新手法
Project/Area Number |
22K17205
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
薬師寺 翔太 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (40907929)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | CCN3 / CCN2 / トランスジェニックマウス(Tg) / 口唇口蓋裂モデル / 軟骨分化 / 内軟骨性骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の2022年度には、当初の研究計画に基づき、Cellular Communication Network Factor (CCN)3の軟骨組織における過剰発現トランスジェニックマウス(CCN3tg)が口蓋裂モデルマウスとして使用可能か確かめるために、胚発生期における口蓋裂部の解析とともに、CCN3の過剰発現が内軟骨性骨形におよぼした影響について解析を行った。 1.2型コラーゲンプロモーターで発現誘導したCCN3tgマウスを作製した。ハプロタイプ同志の交配によって得られたディプロタイプ(CCN3tg/tg)胎児の約半数に口蓋裂が形成されることが明らかになった。一方で、残りの半数には口蓋裂が観察されず、出生後も少なくとも2ヶ月齢までは生存可能であったが、骨格の形成に大きな異常が見られた。2.胎生期11.5日齢の肢芽予定域の未分化間葉系細胞の高密度培養で、CCN3 tg/tgマウス群において強い軟骨基質の蓄積、石灰化の促進を伴った早い軟骨分化マーカーの出現が見られた。当初の予測に反し、CCN2の発現は上昇した。3.CCN3tg/tgマウスの胎生期の骨格の形態学解析から、CCN3 tg/tgマウスの長管骨は太く短く、軟骨組織の成長板において、増殖層の不整が観察された。4.胎生期CCN3tg/tg長管骨のin situ hybridizationでCCN3tg/tgにおいて軟骨分化マーカー、骨形成マーカーの発現の遅延が観察された。 また、これまでの申請者らの報告で、CCN3は軟骨細胞の増殖を強く抑制することが明らかとなっている。これらの結果から、CCN3tg/tgマウスでは、軟骨細胞の増殖が抑制される一方で、CCN2の発現促進を伴いながら軟骨の分化が促進されると考えられた。 本研究は申請者の所属変更によって中断を余儀なくされたが、本結果は国際情報誌に発信する予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Presentation] トホルミンの軟骨細胞におけるlong non-coding RNA, UCA1およびCCN2の発現制御と代謝における意義.2022
Author(s)
近藤星, 服部高子, 桑原実穂, Fu Shanqi, 西田崇, 薬師寺翔太, 吉岡洋祐, 森谷徳文, 飯田征二, 滝川正春, 久保田聡
Organizer
第13回日本CCNファミリー研究会
-
[Presentation] 軟骨細胞におけるメトホルミンによるlong non-coding RNA, UCA1およびCCN2の発現制御2022
Author(s)
近藤星, 服部高子, 桑原実穂, Fu Shanqi, 西田崇, 薬師寺翔太, 吉岡洋祐, 森谷徳文, 飯田征二, 滝川正春, 久保田聡
Organizer
第45回日本分子生物学会年会/日本生物物理学会共催