2023 Fiscal Year Research-status Report
Surgical guideを用いた上顎移動術における顔貌変化と顔貌予測の精度
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22K17210
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山下 陽介 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (20727200)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 顎変形症 / Surgical guide / 軟組織予測 / CAD/CAM |
Outline of Annual Research Achievements |
術後顔貌変化の予測には高い手術精度と正確な評価ツールが必要であるが、本研究では 独自に考案した手術ガイドとCAD/CAM splintで正確な上下顎移動を再現することで、軟組織の術後変化も正確に予測することが可能になるのではと考えている。 本年度では、前年度に進めていた顎変形症治療における独自のサージカルガイドとprebent platesを用いた上顎移動手術における症例数を増やし、上顎骨の術前術後の移動の精度評価を研究した。方法は手術前後のCTデータをソフトウェア上で重ね合わせを行い、その移動誤差を計測するものである。その結果は、われわれのSurgicalguideを用いた方法のほうが精度が高く、予定移動量と実際の移動量との差である平均移動誤差がX軸0.25mm,Y軸0.50mm,Z軸0.37 mmと全方向においても0.5mm以下の高い精度の上顎移動であったことを後ろ向き研究にて報告した。その手法を用いた症例で顎骨移動の精度の高い症例数を増やすことができ、その症例の1年後のCTデータも取得しつつある。 今回の研究の意義では、いままでの報告に上がっている軟組織評価では、手術結果と実際の軟組織を評価しており、顔面軟組織予測ツールを真に評価していないことが現状であった。 われわれが硬組織での精度の高い手術を行うことで、本当の意味で顔面予測ツールと実際の軟組織の相違が評価可能となる。このソフトウェアでの予測ツールの精度評価にもつながり、さらなる医療ソフトウェアの開発の一助となればと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に進めていた独自のサージカルガイドとprebent platesを用いた症例数を増やし、その1年後のCT画像を取得することができた。またそれらの術前後の顎骨移動評価を行い、報告した研究と同程度の移動誤差の少ない精度の高い顎骨移動ができていることを確認できている。 今後、軟組織評価を他のソフトウェアを用いて行っている状態であるが、コロナウィルス感染の影響も少なくなく、術後1年目で画像評価できている症例数が予定より少なくなっている現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、今顎骨移動評価をおこなった症例群のに対し、硬組織である頭蓋底で術前と術後1年の重ね合わせを行い、その2つの軟組織のシミュレーションと実際の軟組織を重ね合わせの下顔面部の距離差を求め、その違いを評価する。実際の手術精度(顎骨移動)の症例での顔貌軟組織の信頼度評価を行っていく予定である。 ただ、コロナ感染蔓延に伴いCT撮影時にマスク装着がほぼ必須となっている現状があり、以前のデータと途中からのデータでの術後1年の軟組織に相違がある問題点が生じている。評価する部位などの変更を検討している。
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Causes of Carryover |
学会などがウェビナーやハイブリッド開催であったため、旅費の使用がなかった。その後は物品など研究に必要なものを購入にあて、研究を進めていく。
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