2023 Fiscal Year Research-status Report
マルチリージョンシークエンスによる口腔癌の発生とクローン進化機構の解明
Project/Area Number |
22K17214
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
福本 正知 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00741828)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔癌 / マルチリージョンシークエンス / tumor mutation burden |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、口腔癌がどのように初期発生し、浸潤・転移をきたしていく中でどのようにクローン進化を獲得しているのかを明らかにするため、従来行われてきた“多数の口腔癌症例によるわずかな一点のゲノムシークエンス結果の比較”ではなく、“同一検体内におけるマルチリージョンでの変異解析”を行うものである。また組織内での腫瘍進展ベクトルや本来臨床的には実行困難な腫瘍組織内での時間的経過を遡って推測する、すなわち“口腔癌発生・進展の時間的・空間的多様性”も明らかにする。 本研究課題の採択を受けて、当施設の臨床研究審査委員会へ本研究計画の申請ならびに本研究課題採択の期間における臨床検体採取・使用については既に承認を得ている。また病理診断科医師と研究計画について(検体採取法、採取後の検体処理ならびにFFPEサンプル切り出しのタイミングなど)のリサーチミーティングも実施済みである。 本年度においては、適当な研究検体の選定のうえ、口腔扁平上皮癌の1次手術症例1検体について、マルチリージョンでの次世代シーケンス解析を委託することができた。既に解析結果は得られており、得られた結果の解釈を行っている最中である。また研究計画に関わる新規アイデアについても各種学会学術大会へ参加し、最新の知見を学ぶことができた。 当初の計画に合致した進捗状況であり、おおむね順調に進展していると考えている。一方で、より効果的なマルチリージョンシークエンスを行うためには、局所進行癌かつ遠隔転移を有する病変の選択が必要不可欠であった。また病変の切り出し、FFPEサンプル作製、マクロ写真撮影には一定の時間的・人的労力を要した。インフレーションに伴い、多領域のNGS解析に伴うランニングコストも当初の想定を上回るものであった。 次年度は解析結果の選定および検体選定・解析の集積について更にスピード感を持った対応を行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の採択を受けて、当施設の臨床研究審査委員会へ本研究計画の申請ならびに本研究課題採択の期間における臨床検体採取・使用については既に承認を得ている。また病理診断科医師と研究計画について(検体採取法、採取後の検体処理ならびにFFPEサンプル切り出しのタイミングなど)のリサーチミーティングも実施済みである。 本年度においては、適当な研究検体の選定のうえ、口腔扁平上皮癌の1次手術症例1検体について、マルチリージョンでの次世代シーケンス解析を委託することができた。既に解析結果は得られており、得られた結果の解釈を行っている最中である。また研究計画に関わる新規アイデアについても各種学会学術大会へ参加し、最新の知見を学ぶことができた。 当初の計画に合致した進捗状況であり、おおむね順調に進展していると考えている。一方で、より効果的なマルチリージョンシークエンスを行うためには、局所進行癌かつ遠隔転移を有する病変の選択が必要不可欠であった。また病変の切り出し、FFPEサンプル作製、マクロ写真撮影には一定の時間的・人的労力を要した。インフレーションに伴い、多領域のNGS解析に伴うランニングコストも当初の想定を上回るものであった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き当初の研究計画に沿って、研究を推進していく予定である。研究計画書から大きな変更点などはない。 より効果的なマルチリージョンシークエンスを行うためには、局所進行癌かつ遠隔転移を有する病変の選択が必要不可欠である。病変の切り出し、FFPEサンプル作製、マクロ写真撮影には一定の時間的・人的労力を要する。また多領域のNGS解析に伴うランニングコストもインフレーションに伴い更なる増加を見込んでいる。上記観点から数十検体におよぶ解析は困難と考えている。 1,2年次の研究遂行状況を踏まえ、3年次では初回解析検体の解析結果や手法をもとに、検体数を増やすことを目的とする。2~3例の追加を目指す。またこれまで研究成果の発表は行えなかったため、累積した解析結果から得られた知見について学会発表を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
おおむね、当該年度の所要額に沿った研究費の使用であったが、値引き交渉などにより、わずかながら残余が生じた。次年度の研究において、当初の計画予算をあわせて使用予定である。
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