2022 Fiscal Year Research-status Report
コーンビームCTは閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置治療の効果予測に有用か
Project/Area Number |
22K17215
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
幸塚 裕也 昭和大学, 歯学部, 講師 (50623724)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コーンビームCT / 上気道閉塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、我が国では推定400万人と多く、進行すると心脳血管障害や糖尿病を合併し、OSAに伴う日中の過眠は産業事故の危険性を増大させる。一方、適切な治療によりこれらのリスクは減少することから、本疾患に対する治療の重要性が認識されつつある。現在、OSAに対する保存的治療第一選択であって、鼻にマスクを装着し持続的に空気を上気道へ送り込む持続陽圧呼吸(CPAP)と、第二選択であって下顎を前方に移動した状態で維持する口腔内装置(OA)が世界的に普及している。OAは軽症中等症のOSA患者と、CPAP適用困難のOSA患者が適応となり、広い患者層が対象となりOAの重要性は高いと考えられる。 OA治療における問題点は治療効果予測が難しい点である。現状では治療開始後、OAの調整が終わるまでおよそ数カ月を要し、その時点で睡眠検査を行っても効果が得られない場合がある。OAの治療効果は全体の70%程度で得られるが、残りの30%のうち副作用がないにもかかわらずOAの治療効果が得られない症例が研究責任医師の医療施設では10%程度存在すると推測される。これらの治療効果が得られない患者に対して代替治療を早期に提案し医学的リスクの低減を図ることと、医療資源の節約のために治療前に診断する方法の開発が必要とされている。本研究では歯科用コーンビームCT(CBCT)を用いて、日本人におけるOAの正確な治療効果予測に有用な上気道形態を明らかにすることを目的としている。 2022年度はリクルートとデータ取得を進め、サンプルサイズ40名のうち36名のデータ取得が終了した。2023年度は引き続きデータ取得を進め、データ解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度はリクルートとデータ取得を進め、サンプルサイズ40名のうち36名のデータ取得が終了した。2023年度は引き続きデータ取得を進め、データ解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度中にすべてのデータが取得できる見込みである。データ解析は以下のように行う。AHIの改善に寄与する因子を探索するためAHI改善率(量)と診療情報、睡眠検査結果、セファロ解析結果、上気道3Dモデル解析結果との相関関係を連続尺度はSpearmanの相関分析を、名義または順序尺度はカイ二乗検定を行う。また最小上咽頭水平断面積(MCA)と診療情報、睡眠検査結果、セファロ解析結果、上気道3Dモデル解析結果との相関関係を連続尺度はSpearmanの相関分析を、名義または順序尺度はカイ二乗検定を行う。それぞれの解析項目において有意な項目についてロジスティック回帰分析を行う。有意な項目についてROC曲線と曲線下面積を計算し、Youden indexからカットオフ値を算出する。以上の解析を行い、学会発表、論文投稿等をすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
計画段階で予定していたSTLデータ変換ソフトがアップデートされたため、再度選定を行い予算より高額のソフトを購入することとなった。そのため予定していたパソコン購入を中止したため、次年度使用額が一部生じた。追加で必要となったソフトウェアのサブスクリプション購入へ充当する予定である。
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