2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K17240
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
普天間 拓 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (30930028)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯髄細胞 / 歯根膜細胞 / 共培養 / trophic factor |
Outline of Annual Research Achievements |
小児歯科臨床において、外傷に伴う歯の脱落は頻繁に遭遇する。歯の脱落に対して再植治療が試みられるが、再植治療において、受傷時の歯根膜の損傷程度、歯槽骨外に置かれていた時間および脱落歯の歯根膜の保存状態が治療経過を決定する重要な因子となる。しかしながら、適切な治療を行ったとしても治療後に歯髄生活力の減少、髄腔内の石灰化組織形成、歯根吸収が認められこのような併発症は治療経過の予測を困難にする。これらの併発症は歯髄と歯根膜の間で起こる血流の断裂が要因になると考えられているが、現在までにその詳細なメカニズムは不明である。 さらに外傷による障害は、受傷歯はもちろん、歯槽骨を含む歯周組織にまで広範に及んでおり、歯周組織を含む複合的な再生療法の開発が急務である。 近年、歯髄細胞と歯根膜細胞を共培養した場合、両者の増殖能には正の相関関係があることが示唆されたが、そのメカニズムは未だ不明な点が多い。そこで、歯髄細胞と歯根膜細胞との間にサイトカインを介したクロストークが存在すると仮定し、この相互作用メカニズムを解明する事で新規外傷治療法の開発の一助になると考えている。 まず本研究は、歯髄組織および歯根膜組織から採取した細胞を共培養し培養上清に分泌されたtrophic factorの解析を行うことで、歯髄細胞と歯根膜細胞間のシグナル伝達を明らかにし、外傷後の歯髄組織と歯根膜組織間における治癒促進を可能とする因子の検索を目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同一個体由来の抜去乳歯から歯髄組織および歯根膜組織を採取した。採取した組織から歯髄細胞と歯根膜細胞を分散し、水平型共培養装置を用いて共培養し培養上清を回収した。一方で対照群として、歯髄細胞と歯根膜細胞を水平型共培養装置にてそれぞれ単独で培養し培養上清を回収した。外傷後の歯髄組織と歯根膜組織間における治癒促進に関与する因子の検索するため、サイトカインアレイを用いて培養上清中のGrowth Factorに関するマーカーを網羅的に解析した。共培養群は対照群と比較してHGF、VEGFの発現が増加することを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
イヌ外傷歯治癒モデルを用いた実験では、根管内に歯髄細胞を移植したところ歯根外から連続した組織が再生が再生し、歯周組織の炎症性細胞浸潤と歯根吸収が抑制された。これらの現象は歯髄細胞と歯根膜細胞間で見られる治癒促進に関するサイトカインの影響と考えられる。そこで今後、歯根膜細胞の細胞遊走能および破骨細胞が持つ骨吸収能に歯髄培養上清が及ぼす影響を検討することを予定している。
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Causes of Carryover |
物品費で消耗品を購入を予定していたが、試薬等代用可能であったため次年度に細胞培養用試薬や遺伝子発現解析用試薬に使用することにした。
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Research Products
(1 results)