2023 Fiscal Year Research-status Report
流体解析を用いた上下顎移動術に関する検討:OSA発症予測システム開発に向けて
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22K17245
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
喜田 壮馬 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (40822515)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 顎変形症 / 軟組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性顎関節症や開咬を伴う骨格性上顎前突症の外科的矯正治療では,下顎骨遠位骨片の前方移動に伴い開口筋群が伸展し, 近位骨片には後方へ牽引力 が生じ下顎頭への負荷が増加する可能性がある。下顎頭への負担過重は進行性下顎頭吸収の発症や術後の後戻りに関与すると考えられる。このような症例に対し,Le Fort I型骨切り術(LF1)による上顎上方移動を行い,下顎はautorotationさせて前方移動量を軽減し,下顎の骨切り(両側下顎枝矢状分割術: BSSRO)を可能な場合には回避する術式[Mandibular autorotation concept (MAC) surgery]で下顎・関節頭に対する機械的負荷を最小限に抑えた治療を行っている。 硬組織の変化に関する術後安定性が非常に高いことは既に報告しているが, 下顎の運動に関連の深い咬筋および内側翼突筋の形態変化, 舌骨の位置に関する検討として, 術直前および術後1年のCTを用い, 医用画像分析ソフトを用いて分析を行った。また,機能検査による口腔機能評価を併せた症例報告を行った。 術後, 咬筋および内側翼突筋の形態は変化し, 筋活動は増加, 咬合は安定し咬合圧バランスも均衡であった。従来法と比較しMAC surgeryでは咀嚼筋の移動変化様相が異なる可能性があり, 形態的にも機能的にも有効な術式と考えられる。硬組織のみならず, 軟組織および機能評価について検討することは, 術後の安定性を高めるうえで重要である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は学会発表を行い、意見交換を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元解析をさらに進め、論文にて詳細な結果の発表を予定している。
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Causes of Carryover |
解析は進んでいるが、論文執筆にあたりソフトウエアの使用が次年度も必要と考えられるため。
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