2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22K17263
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
野上 有紀子 朝日大学, 歯学部, 非常勤講師 (30943576)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児 / 口腔機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
口唇閉鎖不全は口腔機能発達不全の一病態であり、口腔領域のみならず全身的に影響を及ぼすことが示唆されている。申請者が行った全国調査にて、小児の口唇閉鎖不全の有病率は3割にも達することを報告した。小児の口唇閉鎖不全への対策を講じるために実施した介入研究では、口唇閉鎖トレーニングの実施により口唇閉鎖力の増強に効果があることを明らかにした。一方、舌癖や舌癖と関連のある不正咬合を有する小児では口唇閉鎖トレーニングの効果が減弱することから、口唇閉鎖不全は舌癖・舌位などの口腔習癖と密接な関係があることが示唆された。しかしながら、舌の形態については、容易に形態が変わることから評価が難しく、現在までに臨床的に有用な評価法はほとんどない。まずは、本研究では、小児の口唇閉鎖不全とその関連因子を探索を目的とした。対象者は、3-12歳の小児526名とした。口唇閉鎖不全に関連があると考えられる項目からなる質問調査を行った、対象者は小児であるため、保護者より回答を得た。コロナ禍前の2014年の調査時の口唇閉鎖不全が疑われる小児は30.7%であったが、本調査時は38.5%とコロナ禍を経て、有意に増加していた。また、口唇閉鎖不全と関連のある因子について、順位相関を用い解析したところ、食事に関する項目が上位に増加した。コロナ感染予防ためのマスクの常用などが、口唇閉鎖不全をさらに増悪していると考えられた。また、コロナ禍後の子どもの口腔機能に対する保護者の関心が高くなっていることが推測された。
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