2022 Fiscal Year Research-status Report
地域住民における腸管への口腔細菌異所性定着とそのリスク因子の解明
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22K17269
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
影山 伸哉 九州大学, 歯学研究院, 助教 (90822495)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔マイクロバイオーム / 腸管マイクロバイオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、唾液検体ならびに便検体のマイクロバイオーム解析を行った。唾液検体、便検体からのDNA抽出はすでに完了しており、まずはPCR法を用いて採取した検体に含まれる16S rRNA遺伝子の全長を網羅的に増幅した。プライマーにはサンプル識別用の8塩基のタグ配列を付与した8Fと1492Rを使用した。ロングリードシークエンサーのPacBio Sequel IIを用いて、得られた増幅断片の塩基配列を解読し、各検体に含まれる細菌構成を明らかにした。この解析手法では細菌の識別に用いる16S rRNA遺伝子の可変領域(V1-V9領域)の塩基配列が全て解読されるため、遺伝子の相同性の高い細菌についても高解像度に識別することが可能となる。そのため、口腔マイクロバイオームと腸管マイクロバイオームから検出された細菌が同一細菌かどうかをより高精度に検証できる。得られた塩基配列を解析した結果、唾液マイクロバイオームと腸管マイクロバイオームが大きく異なる細菌構成を示す一方、StreptococcusやVeillonellaは口腔と腸管から共通して検出されることが明らかとなった。また、これらの細菌は一部の対象者の腸管マイクロバイオームにおいて高い比率を占めていた。これらの結果より、口腔細菌が腸管まで到達していることが示唆された。現在はさらなる解析を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
選定した唾液検体、便検体について、ロングリードシークエンサーのPacBio Sequel IIによる16S rRNA遺伝子全長シークエンスが完了し、順調に解析が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
唾液マイクロバイオームと腸管マイクロバイオームの関連性について、さらなる解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
解析が順調に進んだため、次年度使用額が生じた。次年度の追加シークエンスに使用する。
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Research Products
(8 results)