2022 Fiscal Year Research-status Report
Estimating blood drug concentration at death using teeth and basic research aimed at developing new treatments for pulpitis
Project/Area Number |
22K17271
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
市岡 宏顕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50739969)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 薬物分布 / 歯 / 質量分析イメージング / 死後変化 / 大腿骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
カルバマゼピン投与ラットにおいて、液体クロマトグラフィー質量分析法(Liquid Chromatography Mass Spectrometry)を用いた歯牙中薬物定量に成功し、歯牙中と心内血中のカルバマゼピン濃度が高い相関関係を示し、歯牙のカルバマゼピン濃度は死後も安定であり、歯牙を用いた高度腐敗遺体の血中薬毒物濃度推定に応用できる可能性を、広く公表するために、英文誌に投稿、掲載された。 歯牙を用いた死亡時血中薬物濃度推定の正確性の向上のため、歯牙と同様に死後保存性の高い、骨に着目し、ラットを用い、大腿骨中のカルバマゼピン濃度や死後安定性について検討した。ラットにカルバマゼピン 100 mg/kgを腹腔内投与し、投与15, 30, 60, 90, 120, 180分後に安楽死させ、大腿骨を採取した。また、ラットに20, 100, 500 mg/kg のカルバマゼピンを投与し、投与60分後に大腿骨を採取しカルバマゼピン濃度を測定した。さらに、ラットにカルバマゼピン 100 mg/kgを投与60分後に安楽死させ、室温にて0, 3, 7, 15日経過した後、大腿骨を採取しカルバマゼピン濃度を測定した。その結果、カルバマゼピン投与ラットの大腿骨から、カルバマゼピンが検出された。ラット大腿骨中のカルバマゼピン濃度は、投与濃度依存的に増大した。死後時間経過したラットの大腿骨から、カルバマゼピンが検出された。今回の結果から、歯牙と同様に、血液や臓器の採取困難な高度腐敗遺体における薬物定量に大腿骨が有用であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯牙を用いた死亡時血中薬物濃度推定法の確立のための基礎研究が順調に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、大腿骨中のカルバマゼピン濃度と心内血血清中のカルバマゼピン濃度、大腿骨中のカルバマゼピン濃度と歯牙中のカルバマゼピン濃度の相関を解析することにより、高度腐敗遺体の血中薬毒物濃度推定を目指す。結果により、筋肉を用いて同様の実験を行う。
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Causes of Carryover |
歯牙を用いた死亡時血中薬物濃度推定の正確性の向上のため、歯牙と同様に死後保存性の高い、骨に着目し、大腿骨を用いた実験を行った。この実験は、これまで歯牙で行った実験と同様の手技・手法を用いることができ、当初の計画した予算よりも、少ない金額で実験を遂行することができたため。次年度に、当該年度に購入予定であった大型機器を購入する。
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Research Products
(3 results)