2023 Fiscal Year Research-status Report
パンデミックにおける適切な学校感染対策のための教育と小児医療の連携モデルの構築
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22K17303
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高崎 麻美 富山大学, 学術研究部医学系小児科, 助教 (80749739)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス / 感染対策 / 学校 / 子ども / 医教連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、富山市における市立学校感染症等対策検討会議の活動を基盤として、パンデミックの際に教育現場で適切な感染対策を行うために、効率的かつ有効に教育と小児科医が連携するモデルの確立を目指している。
二年目となる令和5年度は、富山市内の幼稚園、小・中学校の学校感染対策がどのように行われているかを、前述の会議や関係者への聞き取り、教育委員会と密に連絡を取り合うことで継続的に把握するように努めた。平行して、これまでに集積したデータ(給食の残食量等)の解析を行っている。
オミクロン株流行期には、富山市の小中学校でも学級閉鎖が多く行われた。感染の広がりや実際に行われた学級閉鎖の実際の状況について検討し、第126回日本小児科学会において発表した。また、これまでの継続的な調査の中で、学校における感染対策は同時期の一般社会よりも厳格に行われる傾向があることがあきらかになったが、教育現場における感染対策は感染予防だけを重視するのは不十分であり、子どもたちの成長・発達への配慮を欠いてはならない。幼稚園の園長・小中学校の校長を対象としたアンケート調査を行ったところ、新型コロナウイルスが感染症法上5類へ移行してからも中学校ではマスクを使用し続ける生徒が多かった。それとリンクするように、校長が子どもの心身への影響を懸念する割合は、中学校で高かった。これら学校感染対策の実情と、園長・校長の子どもの心身への懸念に関するデータは、第127回日本小児科学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行期に移動制限があり、学会の現地参加等の研究活動に制限があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍を振り返り、学校感染対策において障壁となった点をアンケートや聞き取りで検出する作業を続ける。また、研究を進めるうえで明らかになった関連課題(特にコロナ禍が子どもの心身へ与えた影響)については特に重要と考えており、より検討を深めていく。
上記について、引き続き学会発表や論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行期に学会参加や視察等の移動に制限があり、本来の予定通りに行うことができなかったこと、またそれにより研究の進捗が遅れたことにより、次年度使用額が生じた。
次年度使用額および翌年度文助成金は、滞っていた学会参加および視察等の出張、また研究結果の発表(学会発表、論文投稿)に使用する予定である。
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