2023 Fiscal Year Research-status Report
診断エラーの卒前教育の実態調査と仮想体験の有効性評価によるバーチャル教材開発
Project/Area Number |
22K17310
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮上 泰樹 順天堂大学, 医学部, 助教 (10816317)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 診断エラー / 医学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、2023年度中に本邦の医学生を対象とした診断エラーの教育状況と診断エラーの目撃の実態を調査した。本研究は、日本の医学部を卒業した直後の医師を対象とし、診断エラーの教育を医学部の授業で受けたか、臨床実習中に診断エラーを目撃したかをアンケート形式で調査した。結果として564人の医師が回答した。医学部の授業の中で、診断エラーの教育を受けた学生の頻度は63.9%であり、診断エラーの教育を受けた人(19.7%)の方が受けていない人(8.6%)と比べて、有意差を持って診断エラーを目撃していた(P=0.0017)ことを明らかにし、医学生における診断エラー教育の効果を証明した。 また、当初の予定通り、スマートグラスを用いて診断エラーの教育動画を5本作成した。同動画を、同じ症例の紙ベースのデータと比較した教育効果を評価した研究を行うことを計画し、現在順天堂大学病院の倫理委員会に申請中である。具体的には、動画データと紙データで、医学生を対象に自記式アンケート調査を行う。内容は、診断エラーを自身のことのようにイメージできるか、診断エラーを重要だと思うか、診断エラーの疑似体験が出来るか、併せて質的な調査を行う。 それ以外にも、他職種の診断エラー教育の実態調査として、日経メディカル会員の看護師を対象とした医師の診断懸念を感じる頻度と懸念を医師に伝えられる頻度の調査を行い現在Scientific reportsに投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在ほとんど計画通りに動画を作成し、その他の研究も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
動画教材を今回作成してみて、さらなる没入感が課題と考えられVRを用いた研究を検討している。VRの利点は、参加者の視点が把握でき、診断エラー教育においてより課題が明確となる可能性が高いと考え、現在計画中である。
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Causes of Carryover |
動画の作成は完了したが、動画の支払いに時間がかかり翌年に繰り越しとなった。
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