2023 Fiscal Year Research-status Report
学生自身の手による医用画像利用と3Dプリンタ出力の解剖学教育効果の検証
Project/Area Number |
22K17316
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中野 洋輔 関西医科大学, 医学部, 助教 (40776530)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 医用画像 / 3Dプリンタ / DICOM Viewer / 三次元再構築像 / オンライン教材 / 肉眼解剖学 / 組織解剖学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ご遺体を用いた解剖学実習は人体の三次元構造の理解には必要不可欠であるが、コロナ禍の影響により解剖学実習その通常実施が困難となっている。このため、医学生ための人体の三次元構造の理解度向上を目的とした解剖学実習を補完するコンテンツ開発が望まれている。本研究では、解剖学履修学年を対象とした①学生自身による医用画像の三次元像再構築における人体の三次元構造の理解度向上や②医用画像の利用法の早期修得を目的とした"特別課題"を課し、特別課題において優秀な結果を修めた学生に、更に③3Dプリンタを用いた三次元再構築モデル出力による人体の三次元構造の理解度向上や3Dプリンタ出力過程の早期修得を目的とした課題を課す。自己評価に基づくアンケート調査や、解剖学試験成績との相関性を統計学的に解析することで、課題の学習効果を検証する。これにより、医用画像や3Dプリンタを用いた人体の三次元構造の理解に有用なオンライン教材の開発を目指す。 令和5年度は中枢神経系、特に脳底動脈とその周辺構造についての特別課題を実施し、そのうちの上位約10%の成績優秀者については、作成した三次元再構築像を元に3Dプリンタによる実物模型を作製する課題も実施した。参加した学生にアンケート調査を実施し、データを収集した。また、本研究で得られた知見を基に、組織学分野の解剖学実習においても、臨床病態学との早期段階の連動を目的としたオンライン教材の開発に着手し、第129回日本解剖学会全国学術集会において本研究成果を報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①医学部学生自身が行う医用画像の三次元像再構築による人体の三次元構造の理解度向上効果の検証[令和4~7年度]と②医学部学生自身が行う医用画像のハンドリングによる医用画像利用法の学習効果検証 [令和4~7年度]においては、滞りなく実施し十分なデータを収集することができた。 また、③医学部学生自身が行う3Dプリンタを用いた医用画像三次元再構築モデル出力による人体の三次元構造理解度向上の検証[令和4~8年度]においても、概ね令和5年度と同規模の学生が参加したため、予定通りのデータを収集することができた。 また、本研究で得られた知見を基に、組織学分野の解剖学実習においても、臨床病態学との早期段階の連動を目的としたオンライン教材の開発に着手したが、これは本申請課題から発展したものであり、当初の研究計画にはないが、それを踏まえても概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は概ね研究計画通りに進んだ一方で、所属機関の共通機器として使用可能な3Dプリンタが、機関の再編により研究期間内に使用できなくなる可能性があること、それに伴い、発展的な学習課題に対応できない可能性があることも分かった。このことをうけ、令和5年度に予定していた、現行の3Dプリンタでは出力できない樹脂とそれを出力可能な小~中型の3Dプリンタの購入については再度検討する。令和6年度では、当初計画に加え、組織学分野の解剖学実習においても、新規のオンライン教材の開発をすすめる。
|
Causes of Carryover |
3Dプリンタ関連の大型機器および消耗品の購入を見送ったため。令和6年度では、オンライン教材開発用の機器を購入予定である。
|
Research Products
(1 results)