2023 Fiscal Year Research-status Report
介護事業所の安全文化とリスク・クライシス・コンフリクトマネジメントとの関連
Project/Area Number |
22K17321
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中部 貴央 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (90883645)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 組織文化・安全文化 / 介護の質 / リスクマネジメント / クライシスマネジメント / コンフリクトマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、介護事業所の安全文化・組織文化を質問票調査によって可視化し、介護事業所における、介護安全のためのリスクマネジメント、自然災害や感染対策 に対応しうるクライシスマネジメント、苦情対応や紛争解決を行うコンフリクトマネジメントのそれぞれ取組との関連とその構造について検証する。また、各事 業所の取組内容の分析、利用者の事業所への評価QOL・満足度等との関連や要因構造をも検証することで、職員・組織・利用者の多角的な視点から、介護の質向上に寄与する具体的な取組の解明を目指す。 2023年度はこれまで実施した調査結果をもとに、コンフリクトマネジメントと組織文化との関連について検討を行い、論文の投稿を行った。介護事業所において紛争経験がない場合は、ある場合と比較して、「チームワーク」「情報共有」のスコアが高く、組織文化が関連しうることが示唆された。さらに、利用者・家族の視点からのコンフリクトの経験に関してインターネット調査を実施した(回収数:3479名)。 2024年度は、これまでの調査結果を元に統合的な解析・検討を進めるほか、クライシスマネジメントについても検討をすすめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、介護事業所の職員および利用者に調査票を配布し、調査票データを分析する研究である。2023年度は、入所者の家族を対象としたインターネット調査会社のパネルを活用した調査を実施し、これまでの職員からの視点の分析に加えて、利用者・家族の視点による検討を行うため、新たにデータ収集を行った。 必要なデータの収集は概ね完了したため、2024度はこれまでの研究成果を取りまとめ、論文等で発表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまで介護事業所の職員を対象とした組織文化およびリスクマネジメント・クライシスマネジメント・コンフリクトマネジメント等に関するデータを用いて、研究論文の投稿を行う予定である。具体的には、クライシスマネジメントの取組と組織文化との関連等に関する学術論文を投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
研究開始当初の新型コロナウイルス蔓延による調査実施の遅延のため。次年度使用額は、本研究の発表にかかる費用に主に使用する予定である。
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