2022 Fiscal Year Research-status Report
フレイル早期発見に向けた高齢者の退屈状態の解明:健康寿命延伸を目指して
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22K17331
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高山 厚 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90906273)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 老年医学 / 老年期の心理 / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の健康寿命延伸において、虚弱(フレイル)の早期発見と介入が社会的に求められている。なかでも心理的フレイルは身体的フレイルより早期に要介護発生を予測する因子として重要とされる。複数の健康アウトカムとの負の関連が報告されている「退屈」は、高齢期の心理的フレイルとして重要な潜在予後予測因子に挙げられる。しかし、高齢者の退屈を正確に測定し、フレイル発症・要介護発生との関連を調査した研究は無い。応募者らは自治体と協働し、高齢者の大規模データベース研究を行っている。このデータベースは地域に住む高齢者の6割以上をカバーし、年齢・性別・社会経済指標・身体活動などの幅広い情報を収載している。このデータベースと全国インターネット調査を併用し、本研究は次の三つを目的とする。①退屈尺度(Boredom Proneness Scale)の高齢者への妥当性検証、②地域在住高齢者における退屈状態の実態調査、③フレイル・要介護発生との関連の検証。本結果は健康寿命延伸に向けた医療政策に大きく寄与することが期待される。 2022年度に対象住民に対する質問指標調査を実施することができた。 これにより、妥当な尺度翻訳過程を経た日本語版の退屈傾向評価尺度を、世界で初めて高齢者を対象に実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響もあり、研究遂行において予定通りの進行を行えない状況があった。研究代表者の異動もあり、データの回収、入力、データベースの構築、整備に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在データの詳細な解析をおこなっている。早急に一段階目に予定していた横断研究の結果を論文化して報告を行う。 一報目での結果を踏まえ、対象年代を広げた追加調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度調査データのデータベース化が遅れたため、追加調査内容を確定することができなかった。追加調査のタイミングを遅らせる方針としたため、次年度への繰越を行なった。
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