2022 Fiscal Year Research-status Report
Exploration of the heterogeneity of treatment effects by study centers in multi-center randomized clinical trials
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22K17333
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
今井 匠 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (50896305)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 臨床試験 / 治療効果の施設間差 / メタアナリシス / 実践的臨床試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多施設共同臨床試験における治療効果の施設間差の評価において、メタアナリシスに倣った2段階推定の利便性と実用性を検討し、施設間差の評価の実施を奨励することである。本年度(2022年度)はメタアナリシスに倣った2段階推定の利便性と実用性の検討に充てた。 前期(4-9月)の期間内に施設間差の評価指標の1段階・2段階推定用の解析プログラムの作成・検証を終え、2手法の比較のためのシミュレーション実験コードの作成も概ね完了し、残りは論文化に際しての細かな検討に伴う微調整を加えるのみとなった。2手法の間で施設間差の評価指標の推定に大きな違いは確認されなかった。2段階推定はメタアナリシスの解析パッケージを使用することで統計専門家以外でも手軽に実装することができ、施設間差の評価の実施を広げることに貢献できる結果が得られたと考えられる。治療効果に施設間差がより生じやすい実践的臨床試験が増えつつある背景を踏まえると、この成果は重要である。 後期(10-3月)には類似先行研究の調査を含む論文化準備を進めた。論文投稿先の第一候補は、臨床試験における解析手法をテーマとして扱った論文の掲載が多い「Clinical trial誌」とすることとした。投稿規定の確認を終え、論文ドラフトの作成を進めた。論文の読者層として想定するのは、統計家に限らない臨床医学研究者全般であり、統計学的な事項については専門的になり過ぎず、解析プログラム例もできる限り平易なものを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進められている。解析手法の比較結果においては、概ね当初の想定と同様の結果が得られており、研究目的・予定の軌道修正は不要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
論文の読者層として統計家に限らない臨床医学研究者全般を想定しており、統計学的な事項については専門的になり過ぎないように注意して論文作成を進めている。研究プロジェクトの次の段階として「施設間差の評価の実施を奨励」を予定しているが、これには論文化が済んでいることが重要である。論文化の時期が遅れた場合、今後の研究プロジェクトの進捗に遅れが出ることが想定されるため、慎重に進める予定である。
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Causes of Carryover |
物品購入時点において、予算計画時に比べノートPCの費用が大幅に減額されていたこと、論文ドラフトの作成が英文校正の段階まで進まなかったことが次年度使用額が生じた理由である。英文校正用の予算は次年度に執行予定であり、その他のものについては今後の必要物品の購入に充てる。
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