2022 Fiscal Year Research-status Report
ルワンダの妊婦が保菌する歯周病菌の菌種が胎児発育にもたらす影響度
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22K17347
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
有馬 弘晃 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30909122)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 妊婦 / 歯周病菌 / 低体重児出生 / ルワンダ / 歯磨き習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
人類の約50%が罹患している歯周病は、妊婦に早産や低体重児出生を誘発させることで、特に途上国で新生児の命を脅かしている可能性が指摘されている。これまでの多くの研究では、妊婦歯周病の評価尺度として“歯周病の進行度”が用いられてきたが、本研究では、妊婦口腔内の歯周病菌量が早産や低体重児出生にもたらす影響を菌種別に明らかにする。これまでにルワンダ農村部の妊婦における歯磨き習慣を明らかにしており、実際に不十分な歯磨き習慣であった妊婦では口腔内の歯周病菌量が多い結果が得られている。また、菌量と出生時体重との間に関連があった菌種も明らかにすることができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにルワンダ農村部の妊婦における歯磨き習慣を明らかにすることができている。不十分な歯磨き習慣であった妊婦では口腔内の菌量が多いことや、歯科医院の受診歴がない妊婦でも各歯周病菌量が多い結果が得られている。また、口腔内の歯周病菌量が多いと、出生時体重が低くなる傾向にあることも菌種別に明らかにすることができた。これらの成果は第一報としてBMC Oral Healthに掲載されており、進捗は概ね順調であると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、農村部だけでなく都市部の妊婦における歯磨き習慣や口腔内の歯周病菌量を評価することで、歯周病菌分布の地域差や妊娠に与える影響を調査していく。また、妊娠初期に歯磨き指導を実施することで出産結果を改善させる効果があるかをルワンダ農村部および読市部で評価する。
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Causes of Carryover |
本年度は首都のキガリで妊婦の歯磨き習慣や口腔の歯周病菌分布、さらに出産データを収集するためのフィールド調査を実施する予定であった。調査実施に遅れが生じており謝金を翌年度に支払う必要があるため、次年度使用額が発生した。
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Research Products
(1 results)