2022 Fiscal Year Research-status Report
認知機能低下予防は認知症発症予防につながるのか?-持続効果の検証-
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22K17371
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
河月 稔 鳥取大学, 医学部, 助教 (80736843)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知症発症予防 / 認知機能低下予防 / 長期効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な目的は、認知機能改善効果を認めた運動、座学、知的活動からなる認知機能低下予防プログラムを長期間実施することが認知症の発症予防につながるのかを検証することである。また、認知機能や身体機能等を経時的に評価し、長期間のプログラム実施による各種機能変化についても検証を行い、適切な予防介入につながる知見を見出すことも目的の一つとして研究を計画した。 研究代表者は他者と共に、2016年度から鳥取県内で認知機能低下予防プログラムを開発して軽度の認知機能低下が疑われる人を対象に検証を行い、6か月間の介入により認知機能や身体機能を向上させる効果があったことを報告した。その後2019年度からは開発したプログラムを自治体等で活用していただけるように普及活動を行ってきた。徐々に導入地域が増えていると伺っており、既に数年にわたって継続して取り組まれている場所もあるが、長期的な実施によるプログラムの効果については前述の検証研究では分析できていなかった。 介入研究を実施するには研究費やマンパワー確保の課題があり、長期間の追跡が困難なことより半年から1年程度の介入で終わるものが多い。そのため、緩徐に進行する認知症においては介入が発症予防につながるかを評価することが難しく、多くの研究で短期間における認知機能の改善効果しか検討できておらず、長期的な効果に関する知見は十分ではない。そこで、この課題を解決するために、我々が開発したプログラムが既に実装されている自治体において認知機能や身体機能のデータ収集、及び認知症発症の有無等を調査し、長期的な介入効果を検証する予定としていた。しかし、各自治体におけるプログラムを実施する教室の運営状況が研究計画立案時から変化していたため、今年度は収集するデータや対象とするフィールドを再検討することのみに留まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
各自治体での認知機能低下予防プログラムを実施する教室の運営状況が研究計画立案時から変化しており、候補として考えていた検証フィールドで予定通りのデータ収集を行うことが困難となったため、当初の計画より遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度検討した情報に基づき、我々が開発した認知機能低下予防プログラムを既に導入している自治体等にアプローチを行い、研究データを収集するフィールドを確定する。多数例での分析が実施できるように、いくつかのフィールドを確保するように努め、了承が得られた場所から順次データの収集を行う。
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Causes of Carryover |
2022年度にデータの収集を行う予定で費用を計上していたが、研究フィールドを確定させることが出来なかったため次年度使用額が生じることとなった。2023年度は調査を実施する予定であるため、研究実施に必要な物品や交通費、分析結果の公表等のために研究費を使用する。
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