2022 Fiscal Year Research-status Report
公的統計データを用いた、母子保健指標と社会経済及び地理的要因との関連の分析
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22K17372
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥井 佑 九州大学, 大学病院, 助教 (70837533)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 母子保健指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
公的統計データを用いて, 母子保健指標と社会経済要因との関連について検討を行った。 1つ目の研究では, 早産率と世帯の職業との関連を分析し, 無職世帯で特に早産率が高いことを示した。2つ目の研究では, 市区町村単位で, 低出生体重率と地域の社会的剥奪度合いに正の関連があることを示した。3つ目の研究では, 低出生体重及び早産と母親の国籍との関連を明らかにし, フィリピンやブラジル国籍の母親は日本国籍の母親と比較して早産リスクが高いことと, 日本国籍の母親は他の国籍の母親と比較して低出生体重のリスクが高いことを示した。母親の国籍と低出生体重及び早産との関連については, 筆者の知る限り国内で初めて明らかになった点であり, 社会的に意義のある結果を提示できたと考えている。4つ目の研究では, 早産率と両親の学歴との関連を示し, 2000年から2020年の間において, 一貫して, 学歴が低くなるほど早産率が高くなる傾向があることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りの研究を行いその内容について論文化できたため, 順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も, 母子保健指標と社会人口学的特性との関連を引き続き検討し, リスクの高い属性や対策が必要な属性について, 統計結果をもとに明らかにしていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
書籍を購入する予定であったが購入しなかったことと, 論文掲載料についても当初の想定よりも支出額が少なかったために差額が生じた。次年度に複数の論文が掲載される場合, 英文校正料と合わせて当初の想定のような支出が生じると考えられる。
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Research Products
(4 results)