2022 Fiscal Year Research-status Report
Effectiveness of a Fall Injury Prevention Program for Elderly Farm Workers in Thailand: an RCT Trial
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22K17379
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
石丸 知宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (30813737)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 産業保健 / 転倒 / タイ / 高齢化 / 労働災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
アジア新興国において、主要産業の農業従事者の高齢化に対応した安全健康施策は喫緊の課題である。本研究では、アジア新興国の中で最も早く高齢化が進行するタイの農業従事者を対象に高齢者に特徴的な労働災害である転倒災害を防止するプログラムの介入効果を検証する。 タイの農業従事者は年金、労災保険、雇用保険などの社会保障制度が十分に整備されないまま深刻な高齢化を迎える可能性がある。そのため、中高年の農業従事者が自身の身体機能や転倒災害の発生リスクを評価、改善するプログラムの開発は極めて重要である。本研究の目的は、タイの中高年の農業就業者に対して「転倒等災害リスク評価セルフチェック」を活用した転倒災害防止プログラムの介入効果をクラスターランダム化比較試験で検証することである。 2022年7月5日から23日にかけてベースライン調査を実施し、タイのナン県とサラブリ県の389名の農家従事者が参加した。「転倒等災害リスク評価セルフチェック」を用いて転倒リスクの認知教育を行うとともに、介入群に対しては参加型職場環境改善活動手法を用いてエイジフレンドリーな農業のための改善提案を実施した。2023年2月23日から4月6日にかけてフォロアップ調査を実施し、介入効果を測定する。 なお、ベースライン調査のデータを用いて、農作業と転倒災害の発生件数の関連を評価した。338名の解析対象者のうち、122名(36.1%)が過去6ヶ月間に転倒災害を経験したことがあった。非常に頻繁に、頻繁に、または時々農薬散布を行うことは、一度もまたはほとんど農薬散布を行わないことよりも、転倒災害の発生率比が高いことと関連していた。仕事の休憩時間に不満足な者は、それ以外の者と比べて、転倒災害の発生率が高かった。農薬散布の身体的負担を軽減することが、転倒災害の予防戦略として有効である可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに調査を実施している。現地視察、倫理審査の承認、ベースライン調査、フォローアップ調査を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
フォローアップデータの入力、解析を通して介入効果を分析する。
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