2023 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチ患者のためのフレイル予防プログラムの開発と効果検証に関する研究
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22K17383
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
安岡 実佳子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 外来研究員 (80874354)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 予防 / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(RA)は疼痛を主症状とし、長期間の関節滑膜の炎症により、関節の変形が生じ、身体機能の低下や日常生活に支障を来たす。2003年に生物学的製剤の使用が認められて以降、RA患者の生命予後は著しく改善した。近年では中年期に発症し、罹病期間が長期に亘る患者と、高齢期に発症した患者の両者によりRA患者集団全体の高齢化が進むと考えられている。フレイルとは、加齢に伴い、身体のみならず精神、認知等の様々な予備能力が低下した状態であり、要介護の前段階である。RA患者は慢性炎症により筋肉量が減少しやすく、痛みや身体機能の低下など、フレイルのリスクが高いため、その対策が極めて重要である。フレイル予防では運動、栄養、社会参加が重要とされているが、そのエビデンスは健常な地域在住高齢者の集団での介入研究に依るものが多く、慢性疾患を持つ患者を対象にしたフレイル予防に関する研究は十分ではない。そこで、慢性疾患のなかでもフレイルのリスクが高いRA患者に特化したフレイル予防プログラムの開発およびその効果を検証する必要と考えられた。 本研究では、フレイル対策の中でも運動に焦点をあて、RA患者の実態・ニーズに合った、個人で継続可能なフレイル予防プログラムを開発し、その実施可能性および効果検証を行う。2023年度は、外来RA患者を対象に2022年度に作成したフレイル予防プログラムを用いて、3ヶ月間の運動介入を行う実施可能性試験を開始した。実施可能性試験は全対象者への介入が間もなく完了する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外来RA患者を対象にフレイル予防プログラムを用いて、実施可能性試験を行っている。データの収集は順調に進んでおり、間もなく完了する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は第1四半期を目途にデータを整理し、解析データセットを完成する予定である。データセット完成後は速やかに解析を行い、学会発表、医学雑誌等への公表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究対象者との介入に関する日程調整により、宿泊旅費が少なくなったため差額が生じた。2024年度の学会発表等に使用する予定である。
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