2023 Fiscal Year Research-status Report
たんぱく質の筋力・身体機能向上効果に及ぼす食事性酸負荷の影響:縦断疫学研究
Project/Area Number |
22K17384
|
Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
木下 かほり 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (60896306)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | たんぱく質 / 食事性酸負荷 / 筋力 / 身体機能 / サルコペニア / フレイル / 高齢者 / 栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の介護予防には筋力や身体機能の維持・向上が重要である。それには十分なたんぱく質摂取が必要だが、加齢に伴い食事摂取量が低下する高齢者では、十分量のたんぱく質摂取が困難な場合も多いため、効率の良い栄養摂取が必要である。近年、酸負荷の高い食事が筋力・身体機能の向上を阻害する可能性を示した先行研究があることから、たんぱく質が豊富な食事であっても、微量栄養素の摂取量が少なく酸負荷が高い食事であると、たんぱく質の骨格筋合成効果が減弱される可能性が考えられる。そこで、本研究の目的は、性・年齢別に層化無作為抽出された中高年地域住民を対象とする長期縦断疫学研究において、食事中のたんぱく質の筋力および身体機能の向上効果は食事性酸負荷の違いにより異なるかを検討することとしている。具体的には、①食事性酸負荷と筋力・身体機能の関連を明らかにすること、②筋力・身体機能に対するたんぱく質摂取量と食事性酸負荷の交互作用を明らかにすることにより、介護予防を意識した中年期からの食事療法、特にエビデンスが限られている高齢期の栄養必要量や食事療法を検討するための科学的根拠を見出すことを目的としている。本研究では、朝・昼・夕の食事ごとの酸負荷評価をとくに重視している。最近、朝・昼・夕の食事の習慣的な摂取量を把握可能な唯一指標が開発された。研究計画の2年目である2023年度は、この唯一指標を用いた新たな調査を追加実施した。現在、論文化に向けてデータ解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年計画の2年目である今年度は、朝・昼・夕の食事の習慣的な摂取量を把握可能な唯一指標を用いた調査を追加実施した。統計解析を行い、学会発表および論文化の準備を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
統計解析および論文化を進めていく。
|
Causes of Carryover |
予定していた国際学会への参加を一部取りやめたため、旅費の使用額が予定より少なくなった。次年度に繰り越して使用する予定である。
|