2023 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータを用いた食物繊維と腸内環境の関係解明:メタゲノム、メタボローム解析
Project/Area Number |
22K17386
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐藤 諭 弘前大学, 医学研究科, 助教 (00725319)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食物繊維 / 腸内細菌 / 疫学研究 / ビッグデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年6月3日から6月12日にかけて行われた弘前大学大学院医学研究科の岩木健康増進プロジェクトに参加し便サンプルの回収とFFQ詳細版による食事調査を行った。腸内細菌叢については採取した便サンプルを用いて、次世代シークエンス解析とテクノスルガ・ラボ微生物同定データベース推定(16SrDNA部分解析)により評価した。食物繊維摂取量はFFQ詳細版により摂取した食物の種類と量から1日あたりの水溶性食物繊維摂取量と不溶性食物繊維摂取量を算出した。さらに、唾液サンプルによる口腔内細菌評価やブリストルスケールによる排便状況の聴取、腹部超音波を用いた脂肪肝や肝線維化の評価など多岐にわたる調査を実施した。この過程は2022年度と一緒だが2023年度の対象者は約900名と昨年度より200名ほど増加した。 2023年度の調査とデータ整理と並行し昨年度までのデータを解析することで水溶性食物繊維を豊富に含む日本食スコア高値群は酪酸産生菌を増加させ、口腔内細菌とも連動することを報告した(Nutrients. 2024 Feb 13;16(4):524. doi: 10.3390/nu16040524)。また、水溶性食物繊維が腸内酪酸産生菌を増加させることを2022年度に報告している(Microorganisms. 2022 Sep 10;10(9):1813. doi: 10.3390/microorganisms10091813.)が、酪酸産生菌は肝線維化を抑制させることも明らかにした(Int J Mol Sci. 2023 Aug 30;24(17):13470. doi: 10.3390/ijms241713470)。 2024年度はさらに対象者を増やすことを予定しており、2024年6月に予定されている調査準備も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス蔓延により一時的に調査対象者が減少したが2023年度は例年近くまで参加者が増加しており健診調査も順調に実施できている。2023年度のデータは解析中であるが、昨年度までのデータを用いて横断研究だけでなく経年的な変化もとらえることができるようになり、学会や論文発表を通して成果報告をすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の解析を進めるとともに、2024年度も同様の調査を行う。2024年度は参加者の増加を検討しており順調に健診調査を行うよう準備していく。また、過去のデータも用いて、5-10年にわたる長期間の縦断研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)本研究は弘前大学で採択されている文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラムの一環として行われているプロジェクトに参加する形で行っており、必要な費用の多くが他の基金より支払われたため。また、調査には多くのスタッフに協力いただいたが、大学院生やボランティアとして手伝ってもらったため人件費の支払いが不要であった。 (使用計画)論文投稿や学会発表を増やすことを検討しており、増額されることが予想される校正・投稿費用として使用予定である。
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