2022 Fiscal Year Research-status Report
変形性手関節症の長期経過と他の運動器疾患に与える影響の解明
Project/Area Number |
22K17390
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
児玉 理恵 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40815586)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 変形性手関節症 / 疫学 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、手の変形性関節症(osteoarthritis, OA)の長期経過と他の大関節のOAとの関連を解明するために、一般住民をターゲットとした大規模コホート研究 Research on Osteoarthritis/Osteoporosis Against Disability (ROAD)において、手OAをターゲットにした10年目の追跡調査を実施している。2022年度は和歌山県日高川市の山村コホートにおいて、第6回調査(手OA 10年目の追跡調査)を実施した。同意の得られた681人(男性231人、女性450人、平均年齢68.4歳)の参加者を得て、調査は終了した。本追跡調査では、手のX線だけではなく、脊椎、膝、股関節など他の大関節のX線検査も実施。また、骨密度検査、筋量、握力を含む運動機能の検査、既往歴や転倒などの情報を含めた多岐にわたる問診票調査、機能評価としてquick DASH、WOMAC、関節痛含む理学所見、血液検査などを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、山村における10年目の追跡調査として、手を含む各関節のX線撮影、骨密度検査、問診、運動機能検査、関節の診察、血液検査等を行った。これらは予定通りに進捗した。これにより、山村の10年目の追跡調査が終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は漁村コホートにおける10年目の追跡調査を行う。調査内容は、山村と同様に、手を含む各関節のX線撮影、骨密度検査、問診、運動機能検査、関節の診察、血液検査などを行う。また、これと並行して、2022年度に山村コホートで得られたX線画像の読影を進める。両手・膝・股関節X線正面像、腰椎X線側面像をDICOMファイル形式で抽出し、Kellgren Lawrence分類で読影する。 2024年度は、漁村コホートの10年目の追跡調査で得られたX線画像の読影を行う。道営完了後、データの乳六、確認、要介護原因疾患の有無を確認し、過去3回分の膨大なデータとのデータリンケージを行い、10年間分の手OAと他関節OAの縦断データベースが完成する。このデータベースを基に、一般住民における手OAの有病、増悪が10年間で他の関節のOAの発生、増悪に及ぼす影響、各関節のOAの相互関係、各関節のOAの合併に影響する因子の解明、要介護への影響の解明等を順次行う。
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Causes of Carryover |
前回の第5回追跡調査の際に使用した物品で使用可能な物が多くあり、そちらを使用したため、物品費を安く抑えることができたため、差額が発生した。2023年度は漁村での10年目の追跡調査を実施予定であり、参加人数も山村より多く費用も多額のため、差額を合わせて使用する予定である。
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