2023 Fiscal Year Research-status Report
Factors affecting X-chromosome microhaplotype typing: investigation and countermeasures
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22K17416
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
福田 真未子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60832201)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | DNA多型 / 個人識別 / 血縁鑑定 / マイクロハプロタイプ / X染色体 |
Outline of Annual Research Achievements |
個人識別等に用いられる新たな遺伝マーカーにおいて,既存のSTRによる方法の欠点を補うものとしてマイクロハプロタイプが注目されている。これまで報告の少ないX染色体に着目し,新規マイクロハプロタイプ10座位について日本人739人のポピュレーションデータを収集・解析し,その有用性を見出した。一方,解析経過において座位によっては「顕著なアリルインバランス」ないし「男性ヘミ接合体における複数アリル」を認める試料が存在した。これらは法医学において混合試料解析の基礎となるものであり,原因の究明はマイクロハプロタイプのマーカーとして安定的な利用に必須である。そこで本研究ではその原因についてDNA試料・実験系・解析系の3つの観点から検討を行い,どのような要素が影響しているのかを検討する。DNA試料を原因とするものとして,一部の試料ではコピーナンバーバリアントにより男性試料でも複数の型が検出されていることがわかった。一方,アリルインバランスを認めた試料の一部につき再実験したが再現性は得られなかった。したがって実験過程において何らかのアリルインバランスを生じる要因があったものと考えられた。異なるポリメラーゼを利用した解析でもアリルインバランスは認められなかった。アリルインバランスが見られた実験時期に偏りがあることから,ライブラリ調整ではなく,複数サンプルにまたがった実験系であるテンプレート調整の影響が大きいのではないかと推測された。解析プログラムによる違いは,臨床向けのプログラムを使用した場合には,法医学的な多型性の高い箇所に適用する際にはパラメータを変更しなければ,型判定に偏りが生じうることがわかった。また,これまで利用していたシーケンサーとは異なるメーカーの機器を用いて同様の実験を行ったところ,顕著なアリルインバランスは見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験による検討は概ね終了し,データの解析・まとめを重点的に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
解析プログラムによる結果の違いについて,入手可能な他の解析プログラムを取り入れて検討する予定である。特に異なる機器でシーケンスした場合に,機器固有の解析プログラムだけではなく,共通で使用できるプログラムによる解析を行い結果の比較を行う。
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