2022 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院における1日に必要な“看護師の人数・看護師情報”予測スケールの開発
Project/Area Number |
22K17432
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
小柳 礼恵 藤田医科大学, 保健衛生学部, 講師 (20887707)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 看護提供体制 / 人員配置 / 急性期病院 / 看護管理者 / 医療の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は日々重症化が進む急性期病院において既に数値化されている「患者イベン ト(手術・検査)と人数」「病棟繁忙情報」と「看護師の人数・看護師情報(看護師の能 力・経験)」間の相互関係が「医療の質指標」「看護師の労務状況」に与える影響を分析し、 その結果から「急性期病院おける1日に必要な“看護師の人数・看護師情報”を予測するス ケールを開発」することである。予測スケールとは患者の重症度や患者のイベント(検査、手術など)に応じてどの程度の看護師の配置が必要か予測可能とするスケールである。 急性期病院は急速な高齢化、救急医療、災害医療、高度医療に対応するため看護管理者は 病棟マネジメントを行なっている。しかし、急性期病院では患者の変化が著しく、1日に必 要とされる看護師の人数や看護師の能力・経験については状況に応じた対応が求められる。 現時点では、看護師人数を確保するための診療報酬制度はある。しかし、病棟の変化に対応 した看護師の人数や看護師の能力・経験を考慮したものではない。現場では日々、病棟の変 化に対応するため看護管理者が経験知により病棟間で相互支援しており、「医療の質と看護 師の労務状況の維持」に難渋している。今回開発するスケールを使用することにより、1日 に必要な“看護師の人数・看護師情報”を予測することが可能となる。そして、日々著しく 変化する病棟の状況に対応する看護管理者が病棟運営する際の一助となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年 急性期病院の看護管理者のエキスパートオピニオンの明確化 急性期病院の看護管理者へインタビュー調査により「経験知から得た看護師数・看護 師情報を調整する際の目安となる患者イベントと人数・病棟繁忙情報」と実際に実施してき た「調整方法」は何かを質的に分析した。その結果をアンケートの質問肢としてアンケート調査を実施した。2023年1月アンケート回収済み。 2023年 1日に必要な“看護師の人数・看護師情報”予測スケールの開発 上記解析をするための施設データ収集ずみ。必要があれば追加収集する予定である。エキスパートオピニオンと先行研究から得られた「患者イベントと人数」「病棟繁忙情 報」「看護師の人数・看護師情報」「医療の質指標」「看護師の労務状況」を機械学習により分析し、その結果から「1日に必要な“看護師の人数・看護師情報”予測スケールを開発」 する。現在1ヶ月あたりの集計データの収集であり、今後1日単位のデータ取集が可能か検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年 今後はアンケート調査により得られた結果を分析し、看護管理者が病棟の人員調整をする際にどのような知見を持ちながら検討してるかの現状を明らかにする。 2023年-2024年 2020年1月以降の「患者イベントと人数」「病棟繁忙情報」「看護師の人数・看護師情報」「医療の質指標」「看護師の労務状況」を構成する項目の影響を分析することにより人員調整の際に考慮すべき点を明らかにする。その際、アンケートと調査の結果を使用し考察する。 2024年以降、スケール開発しスケールの妥当性の検証を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
調査データ出力業務、アンケート収集外注業者の金額が予算より安価であったため余剰金が発生した。2023年以降のデータ解析では統計解析コンサルト、集計技業務等に費用を要するため使用する予定である。
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