2023 Fiscal Year Research-status Report
臨床での実施状況に即したより安全な気管吸引方法確立のためのエビデンスの開発
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22K17440
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
野上 龍太郎 大分大学, 医学部, 助教 (10908544)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 気管吸引 / 一度に連続して行う数回の吸引操作 / 気管粘膜 / 動物実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床現場において、一度に複数回連続した気管吸引操作が行われている状況が本当にあるのかといった気管吸引の実施状況を把握する目的で、調査の準備を進めた。しかし、気管吸引の実施回数等は、対象者の疾患や状態、実施時の気管分泌物の量や性状によって変化するため、現状を反映したデータを得るための調査が困難であった。 しかし研究者自身、臨床現場で気管吸引を行う際、一度に複数回連続した気管吸引操作を行うことは珍しいことではなかった。また、2023年度に改訂された日本呼吸療法医学会から発表された気管吸引ガイドラン2023においても、一度に連続して行われる数回の吸引操作を「一連吸引」と定義し、このような状況を前提として書かれていることからも、臨床現場においては、一度に複数回連続した気管吸引操作が行われている状況があると判断し、実施状況把握のための調査は行わないことにした。 動物実験施設の専門スタッフからアドバイスをいただきながら、動物実験委員会から動物実験計画実施の承認を得るための実験計画書の作成を進めている。使用する動物実験について、実施が可能であればラットも候補として考えていたため、他研究者が実験で使用したラットを譲り受け、気管を摘出し、実験が可能か確認した。摘出した気管を切開し、シート状に広げたが、臨床現場で使用している気管吸引チューブでの吸引が可能な大きさが確保できなかった。このことは、ラットの週数に関わらず難しい状況であったため、実験で使用する動物はウサギに決定した。その他、使用する麻酔薬の検討や気管粘膜の死後変化が実験結果に影響しない方法など、実験方法の最終確認を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実際に調査を行うには至らなかったが、臨床現場での吸引操作の実施状況把握のための調査の準備に時間を要したため、当初の計画より遅れている。現在は当初の計画通り、動物実験の準備を進め、動物実験実施の承認を得るための計画書作成の最終段階に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
7月中には実験を実施し、得られた組織から光学顕微鏡用・走査電子顕微鏡用試料を作成し、年内をめどに観察を終了し、所見をまとめる。その後、得られた所見から気管粘膜への影響を検証し、連続した気管吸引による気管粘膜への影響を結論としてまとめる。
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Causes of Carryover |
当初より研究活動が遅れているため、動物実験、その後の顕微鏡を用いた観察のために必要な物品の購入を見送った。次年度にはそれらの物品の使用が必要となるため、それら物品の購入に使用する計画である。
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