2023 Fiscal Year Research-status Report
透析患者における末梢再灌流圧と褥瘡危険因子との関連
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22K17446
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Research Institution | Shonan Kamakura University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
新井 龍 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 准教授 (20432304)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 基礎看護学 / 褥瘡 / 皮膚灌流圧(SPP) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、既存の褥瘡リスクアセスメント・スケールでは、スコアが同点数であっても褥瘡が発生する可能性は患者の状態によって異なるため、より的確かつ客観的な危険因子を探索することを目的としている。そのため、維持透析治療中の患者が通常検査として計測している皮膚灌流圧(SPP)、血圧、血液検査値(RBC、Hb、Ht、TP、Alb、LDH、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、BUN、Cre)、血管造影や血管脈波検査(ABI)、頚動脈エコー、脈波伝播速度検査(baPWV)の循環機能の評価と褥瘡リスクアセスメント・スケールの得点を比較し、縦断調査する。褥瘡リスクアセスメント・スケールを客観的指標で明確にすることは、臨床の看護師たちが自信を持てないなか実施してきた主観的判断項目(皮膚色など)から、客観的指標を増やすことができ、看護師たちの自信を持ったケアにつなげることができると考える。 本研究実施計画は、有床クリニックに入院中の維持透析中かつ褥瘡ハイリスク患者を対象とし、患者のリクルートを令和6年12月までの期間縦断的に調査し、基礎疾患の有無、褥瘡リスクアセスメント・スケールの点数と循環機能検査結果(SPP、ABI、baPWV)の相関関係、褥瘡発生の有無、褥瘡リスクの高低でそれぞれ2群に分け、循環機能検査値を変数として2群間比較し、統計学的に分析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在、筆者所属の研究倫理審査委員会から承認(承認番号019)を得て、1施設より研究協力の同意を得た段階まで進められている。 しかし、患者の研究参加の同意については、施設の新型コロナ感染症対策を遵守しつつ、対面にて研究の協力依頼・協力の同意を得ようとしていた。しかし、感染症対策のため入院制限・面会制限が現在もかかっている状況であり、研究参加の説明を実施できないため予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、新規研究協力施設の依頼の継続を行うとともに、研究対象者の条件の拡大を図る予定である。研究対象者の条件の拡大は、外来通院している透析患者や、人工透析を行っていないが皮膚灌流圧(SPP)を測定している腎不全患者も検討する。外来通院患者を対象とする場合、同意を取る方法をオプトアウトに変更するため、倫理委員会への書類修正も行う予定である。
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Causes of Carryover |
本研究のはクリニックなど患者の療養施設に赴き同意を得た後に、患者本人とカルテから情報を得る計画であったため、感染症対策のため病棟に立ち入れないことがあった。よって2023年は、療養施設の感染症対策に合わせ、研究協力依頼を自粛していた。2024年以降はデータ収集と分析、関連学会への発表のため、予算を計上する。感染症対策によって2年間、療養施設に立ち入れなかった期間を鑑み、研究計画の延長も視野に入れて再計画している。
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