2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K17448
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
長井 雅代 藍野大学, 医療保健学部, 研究員 (60623551)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 温熱刺激 / 温罨法 / 骨格筋 / 動脈硬化性心血管病 / 予防 / 慢性炎症 / HSP70 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、動脈硬化性心血管病 (atherosclerotic cardiovascular disease: ASCVD)の予防に役立てること目的として、骨格筋への温罨法が慢性炎症に与える影響を検証している。 2023年度は、藍野大学で研究倫理委員会の承認を受けて実施をした、本研究の第一段階部分にあたる介入について統計学的なデータ解析を行った。温熱習慣と動脈硬化度および慢性炎症関連タンパクに関する検討であり、健康成人の日常的な温熱習慣と健康状態、動脈硬化度(baPWV),血中の慢性炎症関連タンパク(IL-6, hsCRP, heat shock protein70; HSP70)濃度との関連について検証をした。対象者からは定期的な継続した研究協力が得られていたことから、複数時点での変動についても関連性を検証することができた。 また、慢性炎症がインスリン抵抗性やアテローム性動脈硬化症などの基礎的病態である点について、書籍(章)の執筆を担当した。特に、慢性炎症に対してどのように温熱効果を活用していけるかという点を考察した。熱応答性に発現増加したHSP70の有するシャペロン機能が、炎症性サイトカインに影響を与え、インスリン抵抗性やアテローム性動脈硬化症の予防に寄与する可能性について、これまでの実験結果や最新の先行研究結果などから述べている。特に、身体活動が制限されている場合においては、骨格筋機能の一部を代償する手段として温罨法による温熱効果は有効である可能性が考えられた。これらの検証は、今後の介入計画にも影響するものであり、計画の修正が必要であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究環境の変化により、研究対象者への継続した介入を中断していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、変更後の所属研究機関において研究倫理審査を受け、対象者への介入研究を実施する予定である。生体における検証にあたっては、更なる基礎的な文献レビューも必要であり系統的な実施を予定している。今後の介入は、当初の研究計画書における第二段目の介入にあたる。温熱刺激効果ののみならず、食習慣や運動習慣も含めてどのように生活上で温熱習慣を取り入れASCVD予防に貢献できるのかを検証をしていく。
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Causes of Carryover |
研究計画に遅れが生じており、2023年度分の介入研究が実施できなかったため使用予定の予算は翌年度に繰り越すこととした。
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