2022 Fiscal Year Research-status Report
セルフモニタリングに基づいたクライシスプランの作成・実施の有用性の検討
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22K17449
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 美央 千葉大学, 大学院看護学研究院, 助教 (30908801)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 精神疾患患者 / クライシスプラン / セルフモニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
精神科医療は、入院中心から地域生活中心の医療に転換されてきており、再発・再入院を予防し、地域で安定した生活を送るためには、精神疾患患者が主体的に症状コントロールを行えるようになることが必要である。精神疾患患者の地域生活を支える資源として、精神科訪問看護があるが、症状コントロールのために訪問看護師が行う効果的な介入はいまだ十分に開発・検証されていない。 本研究は、精神科訪問看護を利用している精神疾患患者を対象として、症状のセルフモニタリングを基にしたクライシスプランを作成・実施する看護介入を開発し、精神疾患患者の症状コントロール、自己洞察、自己効力感に対する効果を検証する。 令和4年度は、クライシスプランの作成・実践状況の把握のための系統的文献レビューを実施した。その結果、クライシスプランの実践は看護師が中心となって報告しており、その内容は事例報告が中心であった。実施方法は様々であり、独自に行っているものもあって確立されていない。実施方法とその効果についての検証を続けることが重要であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の背景の理解を深めるため、系統的文献レビューを行った。その結果、本邦ではクライシスプランの実施方法は確立されておらず、効果の検証も事例報告が中心であったため、十分に明らかにされていないという課題が明らかになった。そのため、看護介入方法を検討する前に、本来の研究プロセスでは予定していなかったクライシスプランの実践におけるニーズ調査を研究プロセスに追加する必要があると考えたため進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
系統的文献レビューの結果をもとに、クライシスプランの作成・実施をするための看護介入方法を検討する。 クライシスプランは実施方法が確立されておらず、その効果についても本邦では十分に明らかにされていない。実際にクライシスプランを実施する状況におけるニーズの把握も不十分であることが課題であると考える。今後は、クライシスプランを実施している医療者に実施の実態や困難、工夫している点などについての状況を把握するためのニーズ調査を行う予定である。その後介入方法について検討を進める。
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Causes of Carryover |
研究プロセスを追加したため、本年度は物品費や旅費、人件費を使用しなかった。次年度予定しているニーズ調査において電子機器や統計ソフト等の物品費、学会発表時の旅費等、研究を遂行するための人件費等が必要になる予定である。
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