2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Dyspnea Self-Care Program for Lung Cancer Patients
Project/Area Number |
22K17450
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉村 鮎美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (60521854)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 呼吸困難 / 肺がん / 緩和ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
肺がん患者の呼吸困難は進行がん患者の54-76%において頻繁に発生する苦痛の強い症状である。終末期だけでなく、外来通院中の治療期の患者においても腫瘍や治療の影響によって高い頻度で生じるため、肺がん患者の呼吸困難を緩和するためには、非薬物療法は不可欠なものといえる。しかし、本邦における非薬物療法の介入効果を検証した研究はほとんどない。そこで、本研究では、非薬物療法に関する教育と看護師によるフォローアップを統合したセルフケアプログラムの構築を目指した。 初年度に続き2年目は呼吸困難の体験及び呼吸困難に対するセルフケア実態を明らかにするために外来通院中の呼吸困難を抱える肺がん患者とその介護者に対してインタビュー調査を実施する計画とした。Covid-19の影響による研究者の研究協力施設への入所制限や研究協力者の異動等により研究遂行がやや遅延しているが、目標症例数の半数のデータ収集を終えた。残りのインタビュー調査については、新たな研究協力機関を確保して現在対象者をリクルートし、2024年度初旬にはインタビューを終了する予定である。 現在までに得られたインタビュー結果から、呼吸困難を抱える患者及び家族の苦痛体験やニーズを抽出し、対象者らが身体症状だけでなく、社会的役割の喪失や他者依存の増加に伴う自己抑制の思いを抱いていること、さらに、医療者へ症状体験の理解を求めるニーズが高いことを明らかとした。これらの解析結果から次の研究段階である非薬物療法の介入内容を研究者間で検討し、介入研究の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、呼吸困難を抱える患者と家族に対する非薬物療法に関する教育と看護師によるフォローアップを統合したセルフケアプログラムの構築を目指している。2年目である本年度は、呼吸困難を抱える患者及び家族に対して症状体験やセルフケアの現状についてインタビュー調査を行い、その結果をふまえて第二段階の介入内容の検討を予定していた。インタビュー調査の実施及び解析から介入内容の検討は行えたが、研究協力機関の変更等からインタビューの目標症例数には達しておらず、2024年度に数名のインタビューを追加する予定であるため、全体としてやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな研究協力機関において残りのインタビュー調査の対象者を確保できるように依頼を継続する。また、随時インタビュー内容を解析しながら介入内容を検討し、2024年度中に介入研究を開始できるように進める。
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Causes of Carryover |
現在進行中の患者及び家族へのインタビュー調査の対象者確保に難渋したため、一部の対象者への実施が来年度となった。そのため、それにかかる経費(謝金及び交通費、研究協力機関の施設利用費等)も来年度へ継続となった。
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