2023 Fiscal Year Research-status Report
高リスク手術予定の患者の「私らしく生きる」を支えるディシジョンエイドの実装と普及
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22K17456
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
山本 加奈子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (00833477)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | クリティカルケア / ディシジョンエイド / アドバンスケアプランニング / 周手術期 / 代理意思決定 / シェアードディシジョンメイキング / 集中治療室 / patient centred care |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度に実施した、①intensive care unit (ICU)で治療を受けた患者を対象にしたadvance care planning (ACP)に関するdecision aids(DAs)を用いたpilot RCTと、②延命治療などの代理意思決定を行なった経験のある家族の現状調査の2つの研究についての分析、学会発表、論文投稿を実施した。また、これら2つの研究結果を踏まえて、2022年度に開発した、「ICUで治療を受けること」のホームページの改訂作業を行なった。さらに、患者に代わり代理意思決定を行う家族の意思決定を支援するためのディシジョンエイドの新たな開発に取り組んだ。 2023年度の主要な成果は、ICUで治療を受ける患者と家族に対してDAsを用いてACP支援を行い、この支援を受けた患者と家族の経験を可視化した研究の論文を国際誌へ出版したことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に前倒し申請を行い2023年度に実施予定の2つの研究をすでに実施していたため、2023年度は分析・考察を中心に行い2024年度の計画の方向性を確定させた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、ICUで治療を受ける患者に対してACPの導入期として開発したディシジョンエイドの普及のための取り組みを開始する。このために、ディシジョンエイドを使用して患者と家族を支援するための医療者が利用できる手順書を開発し、この内容評価と臨床受容性を評価する。また、ICUでは、治療初期より患者の意思決定能力が消失していることも少なくないため、家族が患者の最善を考えた代理意思決定を行うことを支援するディシジョンエイドを開発し、内容評価を行う予定である。 当初は、2022年度に実施したpilot RCTの結果を踏まえてRCTを実施する計画であったが、研究の結果を分析する中で、患者と家族を支援する医療者のACPに関する支援力、理解力の不足が課題に挙がったため、RCTによる有効性評価を実施する前に支援するツールの開発を進めるよう計画修正を行なった。
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Causes of Carryover |
2023年度は産休、育休取得のため一時研究の中断期間があった。このため、2023年度に使用予定であった研究費の一部を2024年度に持ち越した。2024年度に予定している研究内容は計画的に進められており、問題なく今年度内に本テーマでの研究を終了する予定である。
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Research Products
(3 results)