2022 Fiscal Year Research-status Report
心不全緩和ケアにおける訪問看護師のコンピテンシー・モデルの開発
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22K17474
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大崎 瑞恵 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (70525948)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 心不全緩和ケア / 訪問看護師 / コンピテンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、心不全緩和ケアにおける訪問看護師のコンピテンシー・モデルを開発することであり、2022年度は文献検討から訪問看護師に求められるコンピテンシーの要素を抽出し、定義することであった。 医学中央雑誌を用いて「心不全」、「緩和ケア」、「訪問看護」、「コンピテンシー」をキーワードに文献を抽出し、そのうちタイトルと抄録から本研究課題と関連があると考えられた40件を精読した。また、Cochrane LibraryおよびPubMedを用いて、「heart failure」、「paliative care」、「nurse」をキーワードに2013年から2023年までの文献を抽出し、そのうちタイトルと抄録から本研究課題と関連があると考えられた7件を精読した。その結果、心不全の緩和ケアやAdvance care planningの有用性を検討した研究、看護師の認識や実践の実態を調査した研究があったが、多くが病院ベースで提供されている緩和ケアの研究であった。訪問看護師については、心不全管理に関する研究が散見されたが、比較的小規模の研究が数件あるのみであった。以上のことから、文献からは訪問看護師に求められるコンピテンシーの要素を抽出することは困難であると判断した。 一方、文献検討の結果から、心不全緩和ケアにおいて、意思決定支援と症状への対応が非常に重要であることがうかがえた。これは、病院ベースの研究であることから、急性増悪への対応や治療選択の場面への対応が求められるためであると考えられる。在宅では、日々の生活の中での疾患の管理や家族を含めた精神的支援が重要になってくるのではないかと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は文献検討から訪問看護師に求められるコンピテンシーの要素を抽出し、定義することであった。国内外の文献を検索し、その結果訪問看護師による心不全緩和ケアに関する先行研究はほとんど見当たらず、文献からコンピテンシーを抽出することは困難であることを確認することができた。以上より、2022年度の計画は達成されたと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は訪問看護師へのインタビュー調査を計画している。訪問看護師のクリニカルラダーⅢ以上の看護師12名と、Ⅰ・Ⅱの8名の合計20名への行動結果面接法を予定していることから、対象選定と選定した調査対象者から協力を得ることが課題となる。そこで、もともと調査協力を依頼していた共同研究者や在宅看護研究者に加え、新たに在宅看護研究者1名へも対象者の紹介を依頼し了解を得た。計画的に準備を進めていくことで、予定している調査は可能であると考える。
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Causes of Carryover |
プリンターおよびトナーが、予定よりも安価で購入できたこと、必要な文献が所属機関の図書館からオンラインで無料で入手できたことなどから、繰越金が生じた。2023年度はインタビュー調査を予定しており、調査協力者を得るために対象者となる訪問看護師の居住地域を拡大することとしたため、旅費の増大が予測される。また、社会の動きとして人件費が上昇していることから、データ入力等の人件費も増加する見込みである。これらへの対応に繰越金を活用していく。
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