2022 Fiscal Year Research-status Report
産後うつ病と睡眠の関連の解明-よりよい睡眠支援を目指して
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22K17503
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
新田 絵美子 香川大学, 医学部, 助教 (50637733)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 産後うつ病 / 睡眠 / エジンバラ産後うつ病質問表(EPDS) / ピッツバーグ睡眠質問表日本語版(PSQI-J) / 睡眠支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊産婦のメンタルヘルスの問題は妊産婦だけでなく新生児・その家族・社会全体にも影響することが知られている。産後は授乳や新生児のケアのため、妊娠前のような睡眠が取れていないと考え、睡眠と産後うつ病との関係を明らかにすることを目的とする。また、産後の睡眠の状況を評価し、産後うつ病にならないような睡眠パターンの解明、睡眠のデータベースを構築して、産婦に産後の特性を踏まえた睡眠支援の提供を目的とする。(1)睡眠の主観的評価はピッツバーグ睡眠質問表日本語版(PSQI-J)・睡眠日誌を使用し、客観的評価は「ウォッチパット300(フィリップス・ジャパン(株)社)」を使用する。これで得られた睡眠のデータと自己記入した睡眠日誌と合わせて睡眠の状態の評価を行う。就床時間・起床時間・睡眠潜時・総就床時間・中途覚醒回数・総睡眠時間(総就床時間から中途覚醒時間を引いた時間)・睡眠/覚醒割合・睡眠ス テージ(REM睡眠・浅睡眠・深睡眠)割合を確認する。また、その間の脈拍、SpO2(酸素飽和度)、体の動きなども含めて、睡眠の質を評価する。PSQI-Jやエジンバラ産後うつ病質問表(EPDS)でカットオフポイントを上回る群でとそうではない群の2群でカイ2乗検定で比較を行う。PSQI-Jの結果が6点以上は「睡眠に障害がある群」とされている。そのうち、産後うつ病と診断された者を抽出する。(2)産後うつ病のスクリーニングとしてEPDSを使用する。9点以上は「うつ病の可能性が高い」としてスクリーニングする。そのうち、産後うつ病と診断された者を抽出する。(3)既往歴、妊娠・分娩経過、年齢、胎児・新生児に関して出生児体重、臍帯動脈血pH、性別、新生児集中治療室(NICU)入院の有無をカルテから抽出する。また、産後うつ病の発生状況や精神科受診の有無などはカルテから抽出を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、約60症例の参加登録があり、睡眠のデータ、アンケート、睡眠日誌などを取得している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、脱落症例の状況をみながら、目標症例数まで症例数を増やしていく予定である。また、取得した睡眠記録から、睡眠の状況を評価していく予定である。 目標症例数まで達成すれば、睡眠の評価、PSQI-JやEPDS結果を踏まえて、産後うつ病にならないような睡眠支援の提案を行う。
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Causes of Carryover |
当初にデータ発表用のノート型パソコンを購入予定であったが、データ取得用のWindows のパソコンを購入したため、次年度以降に繰り越すことにしたため。
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