2023 Fiscal Year Research-status Report
レビー小体型認知症の食行動に関するケア方法開発のための食物の嗜好評価
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22K17519
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
坂井 麻里子 大阪公立大学, 大学院リハビリテーション学研究科, 客員研究員 (60811958)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 食行動 / 認知症 / レビー小体型認知症 / アルツハイマー型認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023~2024年度は,各協力施設にて,認知症者には基本的情報や認知機能評価,食の嗜好課題を実施し,介助者には食行動アンケートのデータ収集を行う計画を立てている。 2023年度は,2022年に引き続き各協力施設にてデータ収集を中心に行った。主にレビー小体型認知症,アルツハイマー型認知症の患者を中心に協力を得た。現在までに,レビー小体型認知症23名(CDR0.5~3),アルツハイマー型認知症30名(CDR0.5~2),意味性認知症1名(CDR1),前頭側頭型認知症4名(CDR1~2),健常高齢者8名のデータを収集した。課題の結果は担当医に報告した。課題実施中に,嚥下障害を疑わせる所見がみられた場合(特にレビー小体型認知症およびアルツハイマー型認知症患者),対象者や介護者に助言を行った。 食行動アンケート結果について,レビー小体型認知症の場合,「嚥下障害」よりも「食欲」の項目での頻度が高かった。アルツハイマー型認知症においては,他の項目に比べて「食欲」の項目の頻度が目立ったが,レビー小体型認知症ほどではなかった。意味性認知症や前頭側頭型認知症は食行動の問題が他の認知症に比べ圧倒的に多かった。介護者が食行動の問題,特に嗜好の変化に苦慮している場合,介護者とともに味付けの方法など,対応を検討した。また,嚥下障害の項目にチェックがある場合,食事の方法,姿勢や食形態などについて助言を行った。水分でむせる場合は増粘剤をお渡しした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レビー小体型認知症およびアルツハイマー型認知症のCDR2以上,健常高齢者のデータ数が不足していることから,やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度以降も2022~2023年度に引き続き,各研究協力施設にて,レビー小体型認知症,アルツハイマー型認知症,健常高齢者に対し,基本情報の把握,認知機能評価,食の嗜好評価を実施,介護者には食行動アンケートを実施し,データ収集を行う。特にCDR2の対象者のデータ収集が遅れているため,重点的に収集する予定である。また,収集したデータから認知症原疾患別の食の嗜好や食行動の特徴を解析する。さらに,MRI画像解析を行い,食の嗜好や食行動評価尺度と相関する脳萎縮領域を明らかにする。成果は,国内外の学会での発表や学会誌への投稿にて公表する予定である。
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Causes of Carryover |
対象者の数が当初計画よりも少なかった。よって,実際のデータ収集にかかる課題に必要な試料の購入数ならびにそれに付随する諸経費が少なくなったため,次年度に繰り越して使用することとなった。2024年度はデータ収集のための出張費,課題に必要な試料や物品の購入費,情報収集のための図書などの物品購入費や学会出張費,さらに統計に必要な経費に充てる予定である。
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