2022 Fiscal Year Research-status Report
心不全患者に対する移行期支援プログラム開発に向けた包括的研究
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22K17523
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡田 明子 北里大学, 看護学部, 講師 (60874485)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 心不全 / 移行期支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、心不全患者の移行期支援における課題を抽出し、効果的な支援方法の構築を目的としている。2022年度は、心不全患者の退院後30日以内の再入院の要因を先行研究から明らかにするために、スコーピングレビューを実施した。検索エンジンは、EMBASE、CINAHL、PsychoInfo、MEDLINE、医中誌Webを使用した。過去10年間に発表された論文を対象として検索をした結果、10565本の論文が抽出され、一次スクリーニングまでが終了した。2023年度中に二次スクリーニングを行い、結果をまとめる予定である。退院後30日以内の再入院の要因に関する研究は多数報告されており、システマティックレビューも実施されているが、医学的要因に焦点を当てたものが多くを占める。再入院の要因は医学的要因だけでなく、患者要因、環境要因、社会的要因など様々な要因がある。今回のレビューによりそれらの要因を網羅的に明らかにすることで、退院後早期の再入院の予防に必要な支援方法の構築に繋がると考える。 2022年度は、退院後30日以内の再入院の要因を明らかにすることを目的として、心不全看護を専門とする看護師3名にインタビューを実施した。研究対象者数は50名を予定しており、2023年度も引き続きインタビューを行う予定である。再入院の要因に関する研究は、診療録調査や患者を対象とした質問紙調査ならびにインタビュー調査が実施されているが、それらの方法で抽出された要因の予測能力は低いことが課題となっている。看護師を対象に再入院の要因を調査することにより、従来の方法では抽出できていない潜在的な要因が抽出できる可能性がある。 また今年度は、今後の心不全患者への調査に使用する心不全セルフケア尺度の日本語版の開発、信頼性・妥当性の検証を行ったため、結果を論文化し国外雑誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質的研究の研究計画書の提出が当初の予定より遅くなったこと、インタビューのための時間の確保ができなかったことにより、進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度中にスコーピングレビューおよびインタビュー調査を終了し、結果について学会発表や論文等で公表する予定である。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の開始時期が遅れたため、逐語訳の依頼のために予定していた経費を使用しなかった。2023年度に逐語訳の依頼のための経費として使用する予定である。
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