2023 Fiscal Year Research-status Report
看護小規模多機能型居宅介護の利用者・家族のQOLに対する成果とその背景の明確化
Project/Area Number |
22K17532
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松永 篤志 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70781730)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 看護小規模多機能型居宅介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
【今年度の実施内容】主介護者は看護小規模多機能型居宅介護(以下、看多機)でどのような支援を受けているのかについて、主介護者の視点から明らかにするため、看多機Aの医療依存度が高い利用者の主介護者を対象に行ったインタビューデータを分析した。 【結果】終末期の妻が看多機を利用した主介護者の夫が、看多機で受けた支援として次のカテゴリが抽出された。妻の体調に合わせて通いの時間を調整したり、訪問に切り替えるなど【療養を含む日常生活でニーズに応じた柔軟なケアをしてもらえた】、妻が子どもの面倒を見ることを支援するなど【妻が最期まで母親として生きることを支えてくれた】、利用者である妻だけではなく、その家族である主介護者や子供の体調も気遣うなど【自分達家族丸ごと身内のように寄り添ってくれた】、他の利用者さんとの交流など【利用者さんのコミュニティに助けられた】、看多機のスタッフや他の利用者などとの交流を重ねるなかで【人と人との信頼関係で心開くことができた】、妻の自宅で家族に看取られたいという希望を叶えるため【妻の病状の変化に合わせて看多機と医療機関が連携してくれた】、看多機を利用し様々な人との交流などを通して【妻の亡くなった後の自身と息子に生きる意欲をもらえた】である。【療養を含む日常生活でニーズに応じた柔軟なケアをしてもらえた】が利点の中核にあり、そこから6つの利点が派生していた。 【結論】看多機が利用者の体調や介護者の状況に合わせて柔軟なケアを利用者・家族に提供することを通して、利用者の安寧やQOLの向上だけではなく、介護者や家族のQOL向上にも貢献している様子を具体的に記述した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は研究に協力していただく看多機との調整に時間がかかり、フィールド調査がスムーズに実施できなかった。令和6年度は看多機のフィールド調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
看多機を利用する医療依存度が高い利用者の主介護者を対象に行った、看多機利用開始後自身の健康や生活がどのように変わったのかに関するインタビューデータの分析を継続すると共に、看多機の職員へのインタビューも実施していく。
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Causes of Carryover |
令和5年度は研究に協力していただく看多機との調整に時間がかかり、フィールド調査がスムーズに実施できなかった。令和6年度は看多機のフィールド調査を実施する予定である。
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