2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of interactive self-care support tools based on a solution focused approach
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22K17536
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
高木 源 東北福祉大学, 総合福祉学部, 助教 (20880545)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 解決志向 / セルフケア / 自然言語処理 / 情報処理 / フィードバック / 目標 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度では、解決志向アプローチに基づくセルフケア支援ツールを実現するために、目標の具体性および現実性を機械的に判定する分類器を組み込んだWebツールを開発した。このWebツールはオンライン上で回答することが可能であり、自身が設定した目標について、具体的である確率と現実的である確率が機械的に算出され、提示することができる。このツールについて、効果を検討するために、解決志向アプローチに基づくセルフケア支援ツールにおいて、機械的なフィードバックありの条件とフィードバックなしの条件を比較した。参加者は501名であり、フィードバックあり(n=268)、フィードバックなし(n=233)のいずれかの条件に無作為に割り付けた。その結果、コンピュータによるフィードバックは問題の解決度を高めることを確認した。一方、解決志向アプローチに基づくセルフケア支援ツールによって、解決構築、ポジティブおよびネガティブな感情、生活の理想度が、フィードバックの有無にかかわらず高まることを確認した。また、設定された目標の具体性・現実性の確率が高いほど、解決構築とポジティブな感情が高まる程度が大きいことが示された。この結果から、フィードバックを伴う解決志向アプローチに基づくセルフケアツールが、フィードバックを伴わないものに比べ、より効果的であることを確認した。この研究をまとめた内容が、国際誌に採択された。その他、目標の具体性と現実性に関する長期的な影響について検討するために調査用紙を作成し、データ収集の準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では目標の現実性と具体性を正確に評価するために長期的な調査の実施を計画していたが、実際には、調査用紙を作成し、調査実施の準備を整えるまでに留まった。その一方で、解決志向アプローチに基づく双方向型のセルフケア支援ツールについて、目標の具体性と現実性の機械的な評価という限定的な情報ではあったが、フィードバックの効果を実証することができたため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は目標の現実性と具体性を正確に評価するために長期的な調査を実施し、目標の具体性と現実性をより正確に評価する分類器を開発する。また、対面式の面接でセラピストが示すような内容に近づけられるように、フィードバックの機能を追加する。特に、ChatGPTを用いることで、セラピストの応答に近いフィードバックを実現できると考えられるため、ChatGPTの活用についても検討を行なっていく。
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Causes of Carryover |
技術的な問題により、目標の現実性と具体性に関する長期的な調査を実施することができなかったことから、次年度使用額が生じた。2023年度に調査実施を行う際に使用する予定である。
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