2022 Fiscal Year Research-status Report
運動指導・生活指導プログラムを備えた地域在住高齢者に対する姿勢評価システムの開発
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22K17544
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
幸田 仁志 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 講師 (80746305)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 姿勢 / 高齢者 / 運動習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、姿勢評価プログラムを用いて地域在住高齢者の疾患リスクとの関係性や予防策を調査し、フィードバック機構も備えた姿勢評価システムを作成することである。具体的な方法として、我々が例年実施する高齢者検診にて、姿勢評価とともに体幹・上下肢疾患の診断を行い、その関係性を横断的・縦断的に分析する。また、医療機関にて各疾患の治療や予防に直結する生活指導、運動指導の効果や具体的な内容を検証する。最終的には、評価結果より対象者の各疾患リスクを予測し、予防や治療の指導方法をその場で提示できる一連の姿勢評価システムを構築することを計画している。フィードバック機構が備わった姿勢評価システムにより、一人ひとりに合った指導方法を提示することができることを期待している。 今回は、我々が実施している高齢者検診において、約300名の高齢者に対して姿勢評価とともに体幹・上下肢疾患の診断を行い、その関係性を横断的に分析した。姿勢評価には立位および座位のアライメント、また上下肢機能(握力・肩関節や膝関節の筋力、歩行速度)や体幹機能(上体起こし、立位体前屈)および上下肢および体幹の障害(疼痛症状や疾患の有無)について測定した。開発した姿勢評価システムは、胸椎部のアライメント評価の精度が高いため、特に上肢疾患と姿勢アライメントや対象者の症状との関係性を中心的に分析を行った。結果的に高齢者の姿勢アライメント・自覚症状・肩関節疾患との相互関係についての新たな所見をいくつか示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、高齢者検診におけるデータを用いて姿勢と疾患との関係性を示すことができており、次年度も継続した測定結果を用いて縦断分析を行うことができる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、研究当初の予定どおり横断データの分析によって、姿勢アライメントとの障害や症状との関係性を分析することができた。今後は縦断的な分析を行い、各疾患の治療や予防に直結する生活指導、運動指導の効果や具体的な内容を検証する予定である。現在計測できている対象者には、継続した計測を行える準備と環境が整っている。また、単に計測を行うにとどまらず、一人ひとりへの運動指導についても検討する予定である。最終的には、評価結果より対象者の各疾患リスクを予測し、予防や治療の指導方法をその場で提示できる一連の姿勢評価システムを構築することを目指したい。
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Causes of Carryover |
物品の購入費や人件費を予定していた額より抑えることができたため。
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