2023 Fiscal Year Research-status Report
妻と死別する都市部に暮らす高齢男性に訪問看護師が行う生前グリーフケアモデルの構築
Project/Area Number |
22K17557
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
森實 詩乃 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (70583954)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 独居高齢男性 / グリーフケア / グリーフワーク / 死別 / 団塊の世代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の前段階として令和2年度(2020年度)研究活動スタート支援(課題番号:DK23208)『都市部に暮らす独居高齢男性のがんの妻との死別後の「生活の再構築」プロセスの解明』の助成を受け、がんの妻と死別した高齢男性への半構造化面接調査を継続して行っている。2022年4月に300通追加再送した。返送締め切りを過ぎての返信が1通あったが協力不可であり、不達が1通あった。 前述の研究で研究協力を得られた高齢男性3名の半構成的面接後、逐語録をを起こし、分析は、修正版グラウテッド・アプローチで行った。分析対象者は都市部に暮らすがんの妻と死別した高齢男性、分析テーマは「都市部に暮らすがんの妻と死別した高齢男性が、死別後の生活を再構築していくプロセス」とした。 結果は、後期高齢男性は、先行研究同様〈妻不在の淋しさ〉〈日々の暮らしの中での先行きの不安〉があるが〈妻亡き後に「死」について考える〉ことはあるが、後ろ向きでなく、これからの自分の暮らしにおいて前向きな捉えであった。前期高齢男性は〈得意とまでいかなくても一人でこなせる家事もある〉ことと〈あえて予定をたくさん入れることで妻の死後の悲しみを乗り切ることに努める〉。とりわけ団塊の世代以降の高齢男性は、スマートフォン・アプリの活用など〈新しいことへのチャレンジも恐れない〉でいた。3名共通するのは、年齢関係なくできる仕事を持ち、社会参加できていることであった。 今後も世代の違う都市部に暮らす高齢男性のがんの妻との死別後の生活の構築プロセスについては、新たに研究計画継続予定であり所属機関の「人に関する研究倫理審査委員会」へ今後、研究継続の手続きを行う。加えて、高齢男性の介護の時期や妻との死別後も関わりのある訪問看護師へのインタビュー調査予定であり、新たに今年度、倫理審査の手続きを行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の協力依頼文書を発送した時期は、新型コロナ感染症(以下、COVID-19 )拡大第6~8波の時期にあった。また2023年は、コロナ感染と並行し、調査協力可能と返信のあった事業所において、グリーフケアの集いが延期・中止され、研究対象者である高齢男性に直接アクセスできない状況が続いた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス(以下、COVID-19)の第5類感染症移行に伴い、再度研究協力依頼を行う。協力可能と返信のあった訪問看護ステーションの行う患者家族会や遺族会へ参加は、インフルエンザの流行しない上半期に極力行えるよう計画する。またこれに限らず、随時研究協力対象者が見つかった場合、速やかにインタビュー調査を行う。高齢男性への面接を行い、分析と並行して高齢男性に関わっていた訪問看護師への研究協力依頼し、インタビュー調査を行う。
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Causes of Carryover |
2023年度は、自身の心身の不調もあり、研究計画通り調査が進んでいない。今年度は、学会発表や査読付き学術論文としての投稿、国際ジャーナルへの投稿にチャレンジするための英訳サポートを受けるための経費として使用予定である。
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