2023 Fiscal Year Research-status Report
Effects of Introducing KURUXA, a Support Request System for Home-Visit Nursing Staff
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22K17561
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
池田 智 福岡大学, 医学部, 助教 (90759268)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 在宅ケア / スタッフ間連携 / 支援要請 / 位置情報系アプリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は在宅ケアスタッフ連携アプリKURUXA(クルサ)の研究開発と導入効果を明らかにする事である。クルサは訪問看護等の在宅ケアスタッフ間で使用する位置情報系コミュニケーションアプリで、具体的にはスマートフォン画面の地図上に訪問中の全スタッフの位置情報を示す事ができ、テキストチャットや写真等の情報伝達に加え、在宅ケア中の単独対応が困難なケース(例:利用者からの暴力、移動中の交通事故、医療過誤、利用者の急変など)に遭遇した際、他スタッフに現場急行支援要請を行う事ができるシステムである。本研究の目的は、当アプリを訪問看護の現場に導入し、「Relational Coordination」、「訪問看護中の スタッフの安心感」、「ワークエンゲイジメント(Work Engagement)」、「職場のソーシャルキャピタル(Workplace Social Capital)」、「心理的安全性(Psychological safety)」、「ジョブクラフティング(Job Crafting)」、および「仕事のパフォーマンス(Job Performance)」に対する効果を探索的に明らかにすることである。2023年3月に実証実験で使用する試作型アプリが完成し、バグの確認、ユーザビリティ評価を目的としたプレテストを実施した。当初は2022年7月以降に実証実験を行い効果検証を行う予定であったが、本アプリのユーザー管理システム(webアプリ)の追加開発を行ったため、実証実験は延期となった。ただ、ユーザー管理システムの開発を行ったことで、事業所管理者等のユーザー自身がスタッフの個人情報を入力することができるようになったため、研究者側で個人情報を扱う機会が少なくなり、情報漏洩などのリスクを軽減することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
スマートフォンアプリだけではなく、当初予定していなかったユーザー管理システム(webアプリ)のプロトタイプ開発にも成功した。それにより実証実験の日程は延期となったが、研究期間内に実証実験を実施するのは十分可能と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年7月以降にクロスオーバーデザインによる実証実験を行う予定である。詳細については下記のとおりである。計10施設の訪問看護事業所に勤務するスタッフ60~100名を事業所ごとにA群・B群に振り分ける。A群には2024年7月~2024年8月(介入期間:2ヵ月間)の期間にアプリを使用してもらう。その後ウォッシュアウト期間(2ヵ月)を設け、2024年11月~2024年12月(非介入期間:2ヵ月間)の期間はアプリを使用しない。B群は2024年7月~2024年8月(非介入期間:2ヵ月間)の期間はアプリを使用しない。その後ウォッシュアウト期間(2ヵ月)を設けたのち、2024年11月~2024年12月(介入期間:2ヵ月間)の期間にアプリを使用してもらう。定量データの調査時期は計4回(1回目:2024年7月、2回目:2024年8月、3回目:2024年11月、4回目:2024年12月)とする。定性データの調査時期に関し、A群は2024年8月、B群は2024年12月に調査する。全調査終了後、データ分析を行い、年度内に論文投稿を行う予定である。 *第1回調査:2024年7月1日(予定)(A群:介入前:30名、B群:対照群:30名) *第2回調査:2024年8月31日(予定)(A群:介入後:30名、B群:対照群:30名) *第3回調査:2024年11月1日(予定)(B群:介入前:30名、A群:対照群:30名) *第4回調査:2024年12月31日(予定)(B群:介入後:30名、A群:対照群:30名)
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Causes of Carryover |
アプリの使用を継続するためには、サーバー代などの維持管理費が継続して必要となるため。
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