2022 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中後の麻痺側上肢機能に対する反転映像を用いた新たなMPプログラムの効果検証
Project/Area Number |
22K17567
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤原 謙吾 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (20934425)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 運動イメージ / メンタルプラクティス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は,健常者を対象として自身の手の反転映像を提示しながら運動イメージを行わせることで運動イメージの鮮明度や皮質脊髄路の興奮性に与える影響について検討した上で,脳卒中患者を対象に自身の非麻痺側上肢の反転映像を提示しながら実施するメンタルプラクティスのプログラムの効果を検証することである. 研究の実施計画では,実験1に健常者を対象に経頭蓋磁気刺激を用いて反転映像の提示方法の違いによる運動イメージ中の皮質脊髄路の興奮性に関する基礎研究,実験2に運動麻痺を呈した脳卒中患者に対して反転映像を提示しながらメンタルプラクティスを実践する効果に関する臨床研究としている. 研究実績として,実験1に関して倫理委員会の承認を得た上で現在プレ実験を実施している.実験2の脳卒中患者に関してはシングルケースで介入の効果検証を行い,自身の手の反転映像を提示しながら運動イメージを行わせることで,運動イメージの鮮明度ならびに運動イメージ中の運動関連領域全体のOxy-Hbの活動が他の条件(反転映像提示なし条件,他者の手の反転映像条件)と比較して高値を示し,麻痺側上肢機能の向上につながることが明らかとなった.その他の実績としては,脳卒中患者の運動イメージ中の大脳皮質領域の活動と運動イメージの鮮明度の違いに関して論文を投稿,脳卒中患者に対して反転映像の提示方法(反転映像提示なし,他者の手の反転映像,自身の手の反転映像)の違いを比較検討した論文を投稿している. 次年度の計画は,実験1の自身の手の反転映像を提示しながら運動イメージを行わせるときに皮質脊髄路の興奮性が増大するかどうかを検証し,実験2を進めていく.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験1の健常者を対象とする研究において,倫理委員会の承認を得てプレ実験ができている段階であり,計画通りに進めることが出来ている.実験2の脳卒中患者に関しては,新型コロナウイルス感染症の問題もあって計画していた無作為化比較試験の前段階でパイロットスタディが進められていないが,シングルケースでの介入は行えている.その為,現在の進捗としては,概ね順調に進展していると判断している.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度に実験1の健常者を対象とした研究を終了し,データを集計して論文執筆まで進めていく.実験2に関しては,新型コロナウイルス感染症の状況をみながら実施できる範囲で研究を進めていく.
|
Causes of Carryover |
概ね計画通りの執行である。残額については、論文投稿料に充てる予定である。
|