2022 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲的脳刺激を用いた新規脳卒中リハビリテーションの探求
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22K17584
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高松 泰行 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (40802096)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳卒中 / リハビリテーション / 非侵襲的脳刺激法 / 経頭蓋的静磁場刺激 / 神経可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中リハビリテーションは神経可塑性を惹起し、機能回復を促進する。外部脳刺激により神経活動を調整するニューロモジュレーションはリハビリテーションの効果を高める作用を持ち、近年関連研究が増加している。経頭蓋的静磁場刺激(transcranial static magnetic stimulation:tSMS)は神経活動抑制作用を有する新規ニューロモジュレーション手法であるが、動物実験を用いた基礎医学的知見は不足しており、生理学的メカニズムは十分に理解されていない。本研究は、tSMSが中枢神経系に及ぼす生理学的作用、tSMSを用いた脳卒中リハビリテーションの効果および作用機序を基礎医学的観点から解明することを目的とする。 本年度は、脳卒中モデル動物に対するtSMSの効果検証に先立ち、tSMSの方法を確立する予備実験および脳卒中後の病態把握を目的とした実験およびを計画し、当該研究を進めた。 脳卒中モデル動物には、大脳基底核領域にコラゲナーゼを注入し、出血を生じさせる脳出血モデルを用いた。in vivo tSMSは申請者の先行研究にて確立した方法を一部修正した方法を採用した。術後2週間、経過を観察したが、修正したin vivo tSMSによる悪影響は認められず、in vivo tSMSとリハビリテーションを併用も十分に可能であることが確認できた。一方で、脳卒中リハビリテーションとして用いたリーチングタスクは難易度調整など確認すべき課題が見つかった。もう一点の病態把握を目的とした実験には着手できていないため、in vivo tSMSとリハビリテーションの併用がもたらす作用機序の検証に向けて実験を進めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vivo tSMSとリハビリテーションの併用効果の検証において、その方法はある程度確認できたが、課題が見つかり、早急にその検証を行う必要がある。また、病態把握に関する実験系には着手できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
脳出血モデル動物に対するリハビリテーションの方法を確立させ、in vivo tSMSとリハビリテーションの併用効果の検証を進める。また、作用メカニズムの解明に必要な病態把握に関する実験を並行して進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初購入予定の物品を使用した実験に着手できなかったため、余剰が生じた。しかし、次年度は該当実験に着手できる目処が立ったため、繰り越し分を物品購入に使用する計画である。 新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、海外学会への参加を見合わせたため旅費に余剰が生じた。データを整え、次年度は国際学会にエントリーする計画である。
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