2023 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習による表面筋電図解析プログラムを用いた運動方向判定精度の検証
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22K17593
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桑原 渉 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (70932226)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リハビリテーション / ロボティクス / 機械学習 / 決定木分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,手指運動アシストデバイスを装着した状態での表面筋電図制御プログラムの運動方向判定精度を検証し,その精度を向上させるアルゴリズムを構築することである。 初年度に実施した脳卒中運動麻痺者を対象にした精度検証を継続した。方法は,以下の通りである。①デバイス非装着下において,運動機能検査であるBox & Block test(BBT)を実施,②7筋に筋電図センサを貼付し,各患者に応じて判定しやすい2筋の組み合わせを決定するための筋電検査を実施,③②で決定した2筋を用いて学習課題を実施,④学習データをマイクロコンピュータに伝送,⑤デバイス装着下で運動機能検査であるBBTを実施。①と⑤のBBTの結果を比較したところ,非装着2.25個vs装着3.25個であり,有意に向上した。 さらに,今年度は,さらなる精度改善を図るため,患者の重症度を自動判定するアルゴリズムを考案した。重度または中等度の脳卒中後上肢運動麻痺の程度を3段階にグレード分けするアルゴリズムである。95名の脳卒中患者のデータを後ろ向きに解析した。従属変数を専門医が決定した麻痺の程度,独立変数をFugl-Meyer Assessment上肢運動機能項目(合計点とA,B,C,D項目それぞれのスコア)と筋電検査で取得した変数の代表値(量的な値と質的な値の合計10変数)とし,決定木分析を実施した。決定木分析の結果,得られたモデルの正判別率は82.1%であった。上肢運動麻痺の程度を高精度に判定できるアルゴリズムが構築できた。被験者個々の麻痺の重症度に応じて,筋電センサを貼付する対象筋や運動課題を変えて表面筋電図信号を取得するアルゴリズムが整備できた。
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