2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢心不全患者の骨格筋の質に着目した新しい運動療法プログラムの開発
Project/Area Number |
22K17594
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
作山 晃裕 順天堂大学, 保健医療学部, 助教 (80910380)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 心不全 / 運動療法 / 高齢患者 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化が進む我が国では、心不全患者の重症化や介護必要度の増加が問題となり、その対策が急務となっている。高齢心不全患者では、骨格筋量が減少するサルコペニアやフレイルを有すると予後が悪いことが報告されている。骨格筋量が減少すると、筋力や歩行速度が低下するなど運動機能へも影響する。高齢心不全患者の骨格筋量の運動機能への影響が明らかになっている一方で、骨格筋の「質」の運動機能への影響については十分に検証されていない。 骨格筋の質は、筋内の脂肪化、筋の硬さ、筋の密度、筋の収縮性、筋の代謝など多岐に起因する。健常者においても、骨格筋の質は加齢に伴い低下し、身体機能と関連する。我々は、大動脈弁狭窄症に対して経カテーテル大動脈弁留置術を施行された高齢患者を対象に、術前CT検査で評価した大腰筋の筋量に加え、筋内の脂肪化(質の低下)も再入院リスクを増加させることを報告した(Sakuyama A, et al. Phys Ther Res. 2021)。一方、骨格筋の質は多岐に起因するため、骨格筋の最適なトレーニング方法を考えるうえで、骨格筋の質を多面的に評価し、それらの相互関係や、骨格筋量や運動機能との関連を明らかにする必要がある。本研究成果により、高齢心不全患者の骨格筋量に加えて、骨格筋の質を多面的に評価し、その詳細な特徴を明らかにすることを目指す。 2022年度は、大動脈弁狭窄症に対して経カテーテル大動脈弁留置術を施行された高齢患者を対象に、超音波診断装置を用いた骨格筋の質・量の評価、体組成評価、筋力・身体機能評価、日常生活機能評価などを行う研究を実施するための倫理申請の準備を行った。その後に研究を実際に開始し、データ収集を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染流行の影響により、スタッフ数の減少や病棟での感染管理の強化などがあり、研究遂行に支障を生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実施している研究データの収集を引き続き進めていく。また、骨格筋の質の多面的な評価方法の検証を、健常者を対象に実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染流行の影響により、当初の計画よりも研究実施に遅れが生じ、予定していた消耗品などの物品購入が少なくなった。次年度に研究実施をするうえで、元々予定していた消耗品などの物品購入が必要となるため、その費用として使用する。
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